89、懐かしい笑顔 ページ39
「は!?」って。
驚きを隠せない私に、川島が言う。
『ちょっと話したいことがあって…』
「話!? なにっ!?」
『会って話したいんだけど……ダメ…かな』
な、なにこれなにこれなにこれ……っ!!
どうしたらいいのか、なんて答えるべきなのか迷ってたら
川島の小さな溜息が聞こえた。
『やっぱ無理だよね……ごめん』
その瞬間に私の口が勝手に開く。
「いいよ!大丈夫!」
……きっと私。
駆け引きとか絶対向いてない…。
『…今すぐ行くから』
そう言って切れた電話。
ボーっと電話を見つめてたらハッと我に返った。
川島が……今から来る!?
うおっ!! こんな服着てる場合じゃないっ!!
色褪せたスウェットを脱ぎ捨て、急いでその辺にあったスカートに履き替えた。
階段を駆け下り、お気に入りのシューズを履いて外に出る。
空はもう真っ暗で、外灯だけが灯っていた。
少し冷たくなった夜の風が、さわさわと私の頬に触れた。
数分も経たないうちに、自転車に乗った川島が現れた。
「ごめ…っ待った?」
わ…、本当に川島だ。
本物の川島だ…。
「ううん、私も今出て来たから…」
「ん。良かった…」
はぁはぁ…って切れてる息。
もしかして、急いで来てくれたのかな…。
「あ…、久しぶり…」
そう言って、照れたように軽く笑った川島。
……あぁ。
この笑顔を見るのいつぶりだろう。
ついつい見惚れる私の視線に気付いた彼が、恥ずかしそうに俯いた。
…ヤバ。
なにガン見してんのよ私っ!!
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時