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86、ちゃんと考えて ページ36

最初から黙ってるつもりも、隠すつもりもなかったから。

正直に打ち明けた私の話を聞き、美香がきゃあきゃあ頬を赤らめた。


「そっか、Aもついに〜〜〜っ!」

「そういう言い方やめてよ」

「ごめん、なんか嬉しくて!ねぇ茜」


美香の言葉に茜を見たら
茜が静かにひとつ小さく息を吐いた。


「A。Aにとって涼くんとそうなったのは大したことない話なの?」

「え?」


意味がわからなかった。

私の反応を見て、茜が今度は大きく息を吐いた。



「涼くんとそんなことがあったのに、私たちに話すのは川島の話が先なの?って聞いてるの」


あ……。

言われて気付いた。
そうだ、私。
涼とのことは聞かれたから答えたけど
川島から電話が来たことは、聞かれてもいないのに自分から話した…。



「…Aさぁ。
涼くんのこと、ちゃんと好きなの?」


それは、意外な茜の言葉だった。



「好きだよ?なんで?」


なんでそんなこと言うの?
好きに決まってる。
じゃなきゃ、あんなことしないでしょう?

心の中で言い張る私を黙って見ていた茜が、すっと両腕を組んだ。


「…拓哉から聞いたんだけど。
涼くん、進学辞めようとしてるらしいよ」


突然の話だった。


「……進学?」

突然過ぎて、何の話がわからなかった。

「ん。本当は涼くん、札幌の大学に行こうとしてたみたい。だけど、Aといたいから…。
Aと離れたくないから、こっちで就職しようとしてるみたいよ」


寝耳に水、とはこの事だ。


「え、ちょっと待ってよ」


どうしてそこに私が出てくるの?
進路でしょう?
自分の将来を決める大切なことでしょう?

それを
私のために変えようとしてるってこと…?



「A。涼くんはそれだけAのこと、真剣に考えてるってことだよ。
Aは?Aはどうなの?
もし涼くんのこと簡単に考えてるなら、考え直した方がいいと思う」



それは、重い、重い


茜の言葉だった。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時

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