*:..。o○☆アイノカタチ2*:..。o○☆○o

54、振られた理由は ページ4

覚悟はしていた。

していたはずなのに……。


苦しくて、悲しくて
言葉が出ない。

油断すると流れ落ちそうな涙を、俯いて必死に堪えた。


そんな私に、川島が言葉を続けた。


「今は、部活を…やりたい」

「……」


……は…？


「部活…サッカー？」

「うん」


……え？
待って。意味がわかんない。



「……本気？」

「え？うん」

「わかった。…じゃあね」




川島の顔を見ることなく、振り返ることなく歩き出す。

スタスタとまるで競歩でもしているスピードで、来た道を戻る。




ガチャ、ダダダダ、バタン！


家に着くなり２階に上がり自室のベッドに寝転んだ。

考えた。
精一杯考えた。

でも
考えても、考えても、腑に落ちない。



「……部活…？」


……別れるのにこんな理由、ある？

私のことがもう好きじゃなくなったのかも、とか。
他に好きな人が出来ちゃったのかも、とか。

川島が変わってしまったのはなんでだろうって、目を覆ってしまいたくなるような理由だってたくさん考えたのに


振られた理由が



サッカー……？



信じられない。
だけど、現実だ。

とにかく私は、振られたんだ。

サッカーに負けて。



この日から私は





サッカーが、大っ嫌いになった。

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