69、初キス ページ19
いつになく真剣な目で私を見る涼くんに、ドキッとした。
「俺……、今日Aちゃんが来てくれるって言った時、ほんっっとうに嬉しかったんだ」
私を見る真っ直ぐな瞳に、なんだか吸い込まれてしまいそう。
「俺、Aちゃんと初めて会った日に『付き合って』なんて言っちゃったから、もしかしたら軽い奴だとか思われてるかもしれないけど、俺、本気だから!Aちゃんのこと、本当に好きだから…っ!」
彼に掴まれている腕が、熱かった。
彼の本気の告白に、自分の顔が赤くなるのが分かった。
「か、軽い奴だなんて、思ったことないよ。
私だって……っ、私だって本気で付き合おうと思ってるよ…?」
誤解なんかしてないよ、って私も自分の気持ちを伝えたら。
引っ張られた腕。
いつの間にか、涼くんの胸に抱き寄せられていた。
「Aちゃん。俺、Aちゃんのこと本当に大切にするから……っ」
私を包む腕にぎゅうっと力が入ったのが分かった。
ドキドキと鼓動を早める私の胸。
そして、何も言えずにいた私の顔に
そっと涼くんが近付いた。
柔らかいモノが、私の唇に触れた。
思わず後退った私の身体を、涼くんの両手が支えた。
「……Aちゃん」
「あ…え、っと、じゃあ帰るねっ!!」
目が合って、あまりの恥ずかしさにバッとカバンを掴み飛び出した。
火照る顔。
唇に残る柔らかい感触。
走って。
走って。
走って。
バス停について
初めて自分が泣いていることに気が付いた。
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時