好きになってよ。【ダイヤのＡ】

初対面 ページ15

あなたside



「こんなとこでどうしたんすか！？」





あ「……え？」



声の方を見るとラフな格好をして両手にビニール袋を持った男の子が立っていた。



沢「A先輩！ですよね！？俺、沢村栄純っす！野球部１年の！」



沢村くん……？洋一くんがバカな奴って話してたような……



あ「どうして私のこと？」



沢「倉持先輩と御幸一也がA先輩のこと話してたんすよ！」



あ「そうなんだ……」



一也が……？私のことを……？



沢「てか帰んないんですか！？もう８時ですよ！」



あ「今日はね、帰りたくないんだ……」



沢「あなたみたいな人が野宿なんてしたらサラッと拐われちゃいますよ！」



"サラッと"………？



あ「別に……いいんだよ………」



つい自虐的になってしまう。



沢「ダメですよ！よし決定！A！今から寮来てください！」



ビニール袋を片手でまとめて空いた方の手で私の手を引っ張る。



あ「……あっ！」



沢「黙って来る！」



なぜか私達は手をつないだまま歩く。





あ「明日、部活なんじゃない……？私が行ったら迷惑だよ……！」



沢「それが明日は部活オフなんですよ！」



あ「そうなんだ……」



沢「俺たちの部屋で先輩達が騒いでるんすよ！んで俺は先輩達のお菓子とジュースのパシリっす！」



自信満々でどやる沢村くん。



あ「……(苦笑)」





ーーーーー



ガチャ



沢「沢村栄純！エースになる男！ただいま帰還しました！」



倉「遅かったじゃねーか！お前はタイキックの刑だ！ヒャハハ！」



私は沢村くんに手を引っ張られて部屋に入る。



倉「ってうお！Aじゃねーか！」



哲「彼女、か？」



伊「ずりーぞ沢村ぁ！」



増「プリン」



亮「可愛い子登場♪」



沢「がっはっはっ！Aは俺の彼女っす！」



ゴンッ



あ「！？」



沢「いっでぇーーーー！」



倉「なに嘘ついてんだ！」



洋一くんにげんこつをくらった沢村くん。



哲「まあ、座ったらどうだ。」



亮「そうだね。」



倉「先輩達、この子は同じクラスのAっす。」



あ「こんな時間に来てしまってすみません……」



頭を下げる。



哲「どうして外にいたんだ？」



沢村くんから事情を聞いた先輩達が聞いてくる。



あ「ちょっと嫌なことがあって……家に帰りたくなくって………」



そこで亮介先輩が口を開いた。





亮「なんならさ、いっそ今日はここに泊まっちゃえば？」

初めての格ゲー→←感じる孤独感

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す