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『私の開発した技術を"魔法"、生命力を基としたエネルギーを"魔力"と名付けた。そして予想通り、戦争が起こった。初の魔法による戦争だ。ただ、今の段階では魔力効率が悪い。洗脳した魔法兵に命尽きるまで魔法を使わせなければ、長時間の攻撃はできない。きっと、戦場は地獄絵図を描いた事だろう。
国が拡大したため、力で屈服させられた他国民は増えた。つまり、この国への反発者が増えたのだ。それに、洗脳の件もそうだが、数々の悪法に、国民達は反感を覚えている。だから、革命団が結成された。しかし、権力者の持つ魔法兵は厄介だ。策なしに対抗できない。そこで彼らは、私を頼ってきた。目には目を、という事だろう。説得に、権力者による夫の不当な処刑を持ち出してきた時には、焼き殺そうかと思ったが。ここの国民共もその処刑を見て見ぬ振りをしたくせに。しかし私は、期待に応えて、さらに魔力効率を上げた魔法を提供した。これで、数で勝っている革命団が勝利するだろう。
今、私は革命団の本部にいる。彼らは、私も同志だと思い込んでいるらしい。
革命団の勝利後、起こるのは、当然、処刑だ。貴族や王族の処刑。その時には、あの無能共が苦しみに喘ぐ姿を特等席で観賞させてもらおう』
この内容を見ると、まるでこの国の戦争も革命も、全てカレアの掌の上だったように思える。数ページめくると、革命団が勝利した日の日記があった。
『ようやく、革命団は勝利した。処刑台の上で張り付けになった国王の表情は、醜悪なものだった。処刑法は火刑だった。私が提案した。夫の殺され方もそれだったからだ。処刑も私が行った。大きめのローブを着用していたので、誰も気付かなかっただろうが。じわじわと火であぶられていくのを、最も近くで見られた。
しかし、私の復讐はこれで終わりではない。夫が死んだ原因は、突き詰めれば、この世界の人間の有り様にあるのだ。こんな世界でなかったら、夫は殺されなかった。
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです!アスラ君、大好きでした! (2019年9月26日 7時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです! (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやぁ、めでたしめでたしですね!!アスラ君最後まで大好きでした!お疲れ様でした!! (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも! (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*゚▽゚*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時:2016年4月26日 0時