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阿鼻叫喚。
地獄絵図。
死屍累々。
まさしくそんな光景。
『あ"ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』
『ぐ、かはッ』
『や、やめてくれ……』
悲痛な叫び声。
___痛い
戦争だ。……いや、違う。一方的な殺戮だ。魔法を使った軍隊が、他国を侵略している。他国の兵士たちは、悶え苦しみながら死んでいく。
___痛い痛い
対して、最前線にいる魔法兵も、口から吐血してたり、地を這っていたりと今にも死にそうだ。魔力が枯渇しかけているのだ。魔力は生命力。生命力を一気に消費すれば、命に関わる。それでも彼らは魔法を使い続けていた。口の端から呻き声を漏らしながらも、これが自分の使命と言わんばかりに。
___痛い痛い痛い痛い痛い痛イいたイいたいイタイ
「う、ぁぁぁぁぁぁぁああああああ"あ"あ"ッッッ!!!!」
……そんな戦場にある、あらゆる苦痛の感情が、全て私に流れ込んでいる。無理矢理、何リットルもある濁った水を飲まされるような息苦しさが襲う。全身を圧迫するような感覚が大きくなる。ギシギシと体が軋む音さえ聞こえてきそうだ。
そうだ。私がいるここは、時空の狭間。何もかも分からなくなる暗闇。あらゆる"時"に刻まれた感情が、あるいは激しく、あるいは鋭く、あるいは穏やかに、揺蕩う。ここはそんな場所。
だから、他人の感情が、容赦なく私を押し潰そうとしてくる。
さっきは、誰かの感情が大き過ぎて、それしか感じてなかった。
「や、めて……私に入ってこないでよぉ……たすけ、て、……っ、あ……」
名前。
大切なあの人の名前。
思い出せない。
記憶にぽっかり穴が開いている。いくつもいくつも開いている。
私の中心にいた、"彼"が思い出せない。
その事実は、他人の感情に圧殺されそうになっている事よりも、何よりも、酷く私を苦しめる。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!」
感覚のない手で頭を掻き毟る。
「私はっ、あなたの事が、好きなのにっ……」
どこに行けばいいの。このどうでもいい他人たちの感情の中に、あなたの感情はあるの?
私は、あなたのところに行かなきゃいけないのに……!
足を止める。どこが後ろか分からなかったけど、振り返った。そちらへ走る。
『助けてくれ!』
『苦しぃ……』
『殺せ!』
『愛してる』
『呪え、呪え……!』
『マイカ』
……見つけた……!
「セレン!!」
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たまご(プロフ) - めっちゃ面白かったです!アスラ君、大好きでした! (2019年9月26日 7時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - チェシャ猫さん» ありがとうございます(*^^*) アスラ君、好きになってもらえて良かったです! (2019年3月24日 2時) (レス) id: a49b6f3827 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやぁ、めでたしめでたしですね!!アスラ君最後まで大好きでした!お疲れ様でした!! (2019年3月23日 15時) (レス) id: 0582223455 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - なななさん» あなたの事は知ってますよー。コメントどうも! (2017年5月5日 21時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - すっごくおもしろいです!!!!! めつちゃ最高(*゚▽゚*)更新楽しみにしてまふ(( (2017年5月5日 14時) (レス) id: b05e83a60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寒極氷化(かんごく ひょうか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/
作成日時:2016年4月26日 0時