高嶺の花なんかじゃない【BTS】 (ページ2)

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「あみ先輩！
　あみ先輩に憧れて事務所のオーディション受けました！」
そんな風に言ってくれる後輩もたくさん増えた。

「あみちゃんが可愛い！」
そう言ってくれる芸能人のファンも増えた。

今年芸歴12年、27歳。
20代が持てるはずのない資産と、順風満帆な生活は手に入れることが出来た。

じゃあ今の私に何がないかって？
私の胸をときめかせてくれる恋愛だ...
毎日目まぐるしく過ぎていく日々の中で、仕事を精一杯、全力でこなすことに夢中になっていたらあっという間に20代後半になってしまった。

「あみーヘアメイクするよー」
私がデビューした時からお世話になってるユリさん。
抜群のヘアメイクセンスで、この人がいなければアイドルとして成り立たないってほどだ。

『ユリさーん、また幼馴染が結婚したの』

「あみー、当たり前でしょ？あんたいくつだと思ってるの？もう27歳だよ？子供1人2人いてもおかしくない年なのに」

『そうだよねー。私何にも知らずにこの年になっちゃったなー』

「全く知らないことはないじゃない。男運がないだけで。」

『ちょっとー、ユリさーん』

本当その通り。
恋愛してなかったわけじゃない。
アイドルという職業柄モテないわけじゃない。
芸能界でも、そうじゃない業界でも、いくらか声は掛けられたし、それなりにお付き合いはした。
でも、これだけ不規則な生活を理解してくれる人はそう多くない。
それは同じ業界でもだ。
会える時間が少ない。忙し過ぎてなかなか連絡できない。
そんな日々で長続きするわけなんてないんだ。