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「ただいま〜」
「おかえり」
「出掛けなかったの？」
「出掛けたよ。ちょっとだけ」
「そう」
疲れてるし、早くメイクを落としたいから会話もそこそこに洗面所に直行。
彼とお揃いのヘアバンドを装着して、クレンジングでバシャバシャ洗い流して顔を上げると……
「はぁ……………ひっ！？」
鏡に映る私の右斜め後ろのドアの隙間から幽霊……のようなストーカーがっ……！？
顔半分だけだし、片目しか見えてないし、そっとドアに添えられた白い手が余計怖い。
毎回の事だけど、毎回注意し忘れる私も私だけども、
心臓止まる。
リアルに。
しかも文句言おうと振り向くとスッ……と消えるのだ。
もうストーカーというよりホラー。
手入れを終えてリビングに行くと普通にTVを観ていたり雑誌を読んでいたりするから、何度か生き霊なのかと本気で思った事がある。
だから怖くなって聞いてみたら、
『メイク落とした直後が好き』
らしい。
気持ちは分かるかも。
私もメイクしたLEO君からテグナに戻る瞬間、キュンってするし、安心して好き。
特にあのLEO君のキリッと眉毛が、テグナの薄い眉毛に戻るのが大好き。
『テグナぁ〜』
って、思わず頬擦りしたくなる。
可愛くて。
分かる。分かるよ？
でもそれならもっと堂々と見ればいいのに。
どうもこっそり盗み見したいらしい。
その精神が既にストーカーちっく。
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作者名：サラン | 作成日時：2017年7月4日 6時
