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「……グナ…………テグナ〜、起きて〜」
「んっ…………」
………
あぁ……
時間か…………
………
………
……だめだ……目が開かない……
「遅刻しちゃうよ〜」
アラームの音はあんなにイラッとするのに、なんでAの声は朝からこんなに可愛いんだろう？
目を開けるのを諦めて、何も見えない空間に両腕を伸ばしながら思う。
「よっいっ、しょっ！おも〜い」
その手を引かれて何度かモゾモゾして、グイグイ揺られて、ようやく起き上がれた。
お陰でそこそこ目も覚める。
「起きた？おはよう」
まっ、眩しい……
朝の日の光に照らされて僕を見て笑うAがやたらキラキラして見えて、
うわぁ……
って心の歓声を上げてしまった。
「……はよ」
「ご飯食べれる？時間あるかなぁ？
あ、今日の服用意してみたよ？」
「………………え？」
ふく？
これは初めてだ。
嫌な予感しかしない。
「見て見て？どう？」
ベッドの足元に広げて並べられた僕の服を指差して、さっきのキラキラした笑顔にドヤ顔をプラスして僕を見てくるA。
「…………いや、あぁ…………うん……」
「ギリギリまで寝かせてあげたかったから用意しといたの。もう早く着ないと時間ヤバイよ？」
「………ありがとう…」
「やっぱ食べる時間無さそうだからサンドイッチ包んでくる！着替えててね？」
そう言ってパタパタと寝室から立ち去って行った彼女の後ろ姿を見送り、
「…………」
…………
…………
僕は悩んだ。
だって…………ビミョー。を越えてダサイ。
ごめん、A。
悩んだ結果、彼女が戻って来ないうちにトップスを別のと入れ替え、自分でも今まで寝てたのかと疑う程のスピードで着替えた。
ガチャ！
「着替えた？」
「っ！！」
突然戻って来た彼女に飛び上がりそうな程ビックリしたが、ギリで準備完了。
後は言い訳をするだけ。
「あれ？あの黄色いのは？」
「あれ前穴が開いてた」
「え！？そうなの？気付かなかった」
「虫に食われたみたい」
「あぁ〜、防虫剤入れとけば良かった〜」
残念そうにするAには悪いが、助かった。
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作者名：サラン | 作成日時：2017年7月4日 6時
