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215.大胆 ページ15

「兄上、千寿郎です。」


「うむ。入ってくれ!」


 廊下を歩いている時に千寿郎くんが杏寿郎さんの


 部屋に入っていく様子が見えた。





 花火大会から数日が経ち、


 杏寿郎さんは煉獄家に戻ってくることが増えた。



 私が庭で洗濯物を干していると、


 綺麗な蝶がひらひらと私のまわりを飛ぶ。
 


「ふふっ。なあに?私と戯れたいの?」



 蝶はしばらく私のまわりを飛ぶと、鼻の頭にとまった。


 おかしくて、私は思わず笑みをこぼした。





「微笑ましい光景だな!」



 急に大きな声が降ってきて、


 鼻の頭に止まっていた蝶はまたひらひらと宙を舞う。



「杏寿郎さん!?」



 杏寿郎さんは縁側に腰を下ろすと、

 腕を組んで顔いっぱいに笑った。



「しばらくしたら、任務に出かけなくてはならなくてな!


 行く前に君に声をかけようと探していたんだ。」



「そうでしたか!お気をつけて。」



「うむ。」




 先程の蝶はひらひらと舞いながら、


 今度は杏寿郎さんの口元にとまった。



「あ、今度は杏寿郎さんにとまりましたね!


 人と戯れるのが好きなのですね。」



 蝶は再び私の近くをひらひらと飛びまわる。




 杏寿郎さんは何故かずっと空を見上げているので、


 どうしたのだろうと首を傾げた時だった。




「俺は君と戯れたい!!」




 それはもう庭に響き渡るほどの大声で…


 私は目を丸くして驚く。



 顔が熱くなるのを感じながら私は彼に声をかけた。


「…杏寿郎さん!!」



「なんだ!」



「…そのようなことを大声で言うのはやめてください!」



「なぜだ!!」



「恥ずかしいからに決まっているではありませんか…!」



「…そうか!」



 杏寿郎さんは今になってやっと分かってくれたようで…




 本当、調子が狂ってしまう。




 今の彼からは、夜の大胆で色っぽい表情は想像できない。




 いや、大胆でまっすぐなのは


 ある意味変わらないかもしれないが…。




「では、行ってくる。」



「はい。いってらっしゃい。」






 羽織をたなびかせて歩く彼は






 頼もしくて



 


 かっこいい。
 

216.ひまわりの迷路→←214.※君に魅せられて



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - sayaさん» sayaさん、ご感想をありがとうございます!一気読み嬉しいです〜!勿体無いお言葉まで…感謝の気持ちでいっぱいです。。ぜひ、他の作品でもお待ちしておりますね!最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 (10月20日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしたり、切なくなったり、ホワホワしたり、で一気読みしてしまいました。とまりませんでした。このお話と出会えてよかったです。他の作品もこれから読まさせて頂きます!! (10月19日 23時) (レス) id: 7154e48ffe (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - もにょさん» もにょさん、最後までお読みいただき、そしてコメントをしてくださり、ありがとうございます!最高な作品だなんて…幸甚の至りです!またいつでもお越しくださいね。 (5月6日 8時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
もにょ - ハンカチがびっしゃびしゃになる程泣きました。甘く切なく幸せな夢をありがとうございました。最高な作品に出会えて幸せです。長編お疲れ様でした! (5月6日 4時) (レス) @page48 id: c62f6d1e54 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 桜月夜さん» 桜月夜さん、感想ありがとうございます!感動してくださるなんて光栄です!素敵なお言葉までありがとうございます(*˙˘˙*) (2021年11月19日 17時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年11月5日 19時

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