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165.君にだから言うこと ページ15

 愛し合い、果てた二人は




 共に褥に横たわっていた。


 
 私は肩で息をしているのに、



 杏寿郎さんはすぐに呼吸を整えてしまう。



「…今日はこちらを向いて寝てくれるのだな。」


 嬉しそうな顔で私に言う。


 そう言われると恥ずかしくなってしまった私は

 
 慌てて寝返りを打つ。


 すると思いがけないことに首や肩、背中を吸われる。


「ん…やっ」


 杏寿郎さんは私の身体を掴んで離さない。


「…こうして欲しい、と言うことだろう?」


「…ち、違う」


「…違うのならこっちを向いてくれないか?」



 私が観念してゆっくりと杏寿郎さんの方を向くと、


 彼は満足そうに微笑んだ。



「情けないことに、随分と君に無体を強いてしまった。


 大事ないか?」



「…いえ、大丈夫ですよ。」



「そうか。でも、明日に響くかもしれない。

 無理はしないように。」



 杏寿郎さんは私の頬を手で包み、


 自身の顔を近づけて額と額をくっつける。


 そしておもむろに口を開くと


 聞こえないくらいの小さな声で呟く。


「このまま、君と二人でどこか遠いところへと


 駆け出してしまいたいな…。」



「ふふっ。

 杏寿郎さんもそのようなことを言われるのですね。」



 そっと顔を離されて、眉を下げた彼が目に映った。



「本当に…困ったものだ。


 こんなこと、君にだから言うんだ。」




「…そのように想ってもらえるだけで

 私は心が満たされます。」



 杏寿郎さんは一息つくと、真剣な顔になる。



「俺は亡くなった母から教えてもらったんだ。


 弱き人を助けることは、強く生まれたものの責務だと。」



「…はい。」



「君を置いて任務に行くことも多いだろう。


 寂しい思いをさせるかもしれない。



 …しかし、君への愛は変わらない!


 それだけは、忘れないでいてくれるか…?」




「はい。忘れません。


 私はいつだって杏寿郎さんを信じて待っていますから。」




 どちらからともなく唇を寄せ合う。







 私たちはそのまま夜の深い眠りへと落ちていった。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10/25 読者の皆様へ


 お読みいただき、ありがとうございます。

 今週は作者自身の仕事が激務になりそうなので…

 少し更新がゆっくりになるかもしれません。

 すみません…!!


  狐姫



 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 衣世さん» 苦しいですね…。書いていても辛いです泣 叫んじゃってください〜!! (2021年11月3日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 更新ありがとうございます!杏寿郎ーー!!切ない、苦しいですね(ToT)うあぁぁぁ(TдT)叫ばずにはいられません泣 (2021年11月3日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - akiomiさん» はじめまして。コメント嬉しいです!ありがとうございます。溶けてしまいたいですね…笑 応援ありがとうございます!引き続きお楽しみくださいませ! (2021年11月3日 12時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
akiomi(プロフ) - 初めまして。切なくてどうしようもない気持ちになり、コメントしてしまいました!雪になって、私も溶けてしまいたい笑 続きも楽しみにしております。これからも応援しています! (2021年11月3日 11時) (レス) @page45 id: 15912deccb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - ろろろーさん» はじめまして。コメントありがとうございます!胸を締め付けるようなお話ばかりで申し訳ないです。嬉しいお言葉、ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2021年11月3日 10時) (レス) @page45 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月23日 12時

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