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147.噂の甘味処 ページ47

 甘味処についた私たちは、

 メニューと睨めっこしていた。




 とは言っても、迷っているのは私だけ。


 杏寿郎さんはメニューを見るなり即決だった。

 何事も判断が早いのだなあ…。

 
「ん〜、ん〜、羊羹も美味しそう…

 でもなあ…このカスタードプリンというのも

 美味しそう…」


「ははっ。Aは本当に優柔不断なのだな!

 それならどちらも頼むといい!」


「いやいや!それはダメです!

 お金は大切にしなくちゃ!」


「そうか!時間はまだあるから、好きなだけ悩むといい!」


 杏寿郎さんはメニューを必死に見て悩む私を


 なぜか嬉しそうにニコニコしながら見ている。


「よし!甘味は羊羹に決めました!

 杏寿郎さん、お飲み物は決めましたか?」


「うむ!俺はコーヒーを頼むぞ!」


「コーヒーですか!

 私はどうも苦くて…杏寿郎さんは大人ですね!」


「そうか!君はコーヒーが苦手なのか!」


「無難に抹茶にしますね!」




 良い雰囲気の甘味処だなあ。

 木造で、新しい木の匂いがする。

 

 しばらくすると注文していた甘味と飲み物が運ばれる。


 すると、頼んでいない甘味が机の上にふたつ置かれた。


「これは?」

 
 杏寿郎さんが店員さんに問う。


「それは、俺からのサービスだよ。

 商品じゃないけどね。コーヒーゼリーって言うんだ。

 いわゆる"食べるコーヒー"だよ。

 この前新聞にレシピが載っていて、

 作ってみたら美味しかったんだ!

 お嬢さん、コーヒーは苦手なんだろう?

 でも、このホイップが甘いから、

 お嬢さんもきっと食べられるよ!」


 そう店員さんは笑顔で言うと、厨房へと戻っていった。


「美味しそうだな!いただくとしよう!」


 キラキラと黒く光るゼリーに、白くクリーミーな

 ホイップがのっている。


 一口、口に入れてみる。


「…!!!なにこれ!!

 すっごく美味しい〜!!!」


 私が感動して目を輝かせると、

 杏寿郎さんは自分も嬉しそう笑う。


「それはよかった!

 だが、興奮しすぎだ!口にホイップがついているぞ!」


 杏寿郎さんはすっと手を伸ばしてきて


 指で私の口元についたホイップをすくうと

 自分の口へ運び、舌で舐めとる。



「…ん、美味しいな。



 どうした?」


 
「…いや、その…」


 あまりにも流れるようにそんな動作をするから、


 私は一人で勝手に顔を赤らめていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 朱乃さん» はじめまして。コメントありがとうございます!煉獄さん本当に素敵な人ですよね〜!ドキドキさせられているのであれば光栄です!今後も皆様が入り込みやすいようなストーリー作りに努めますので、ぜひお楽しみくださいね! (2021年10月22日 20時) (レス) @page47 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
朱乃 - 初めまして。私も煉獄さんが大好きで、妄想恋愛をするくらいなので、(きゃー恥ずかしい)こんなことが本当にあったらいいなーと毎回ドキドキしながら読んでます!続き楽しみです! (2021年10月22日 19時) (レス) @page46 id: 6c032548ee (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - さこさん» はじめまして。コメントありがとうございます。煉獄さん、素敵ですよね!キュンキュンしていただけて嬉しいです〜!最後までぜひお付き合いください! (2021年10月20日 21時) (レス) @page41 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - 初めまして。私は煉獄さんが大好きなので、キュンキュンしながら読ませてもらってます(^^)続きがすごく楽しみにしてます(^^) (2021年10月20日 21時) (レス) @page41 id: 8c0425346a (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 衣世さん» はじめまして!コメントありがとうございます。もどかしいですね…書いている私も胸を締め付けられています…笑 皆様が流れで読みやすいよう、更新頑張っております!引き続き、お楽しみください。 (2021年10月17日 11時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月16日 14時

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