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144.お墓参り ページ44

 弥栄子さんに連れられて進むと、

 居間では杏寿郎さんと千寿郎くんが

 楽しそうに話をしていた。


「…A!もう身体は大丈夫なのか?」


「はい!すみませんでした。」


「君が大丈夫ならいいんだ!

 弥栄子さん、お世話になりました。」


「いえいえ!元気になって良かった。」


 私たちは一礼すると、墓地へと足を運んだ。

 道中、千寿郎くんがニコニコしながら

 私たちを見ていた。


「千寿郎!なんだ!どうした!!」


「いえ、お気になさらないでください!」


 そう言って、なお私たちを見つめるものだから

 私は恥ずかしくなってしまい顔が熱くなるのを感じた。


「…A!!どうした!!

 やはり体調が優れないのか?

 顔が熟れたリンゴのようだ!!」

「…だ、大丈夫です!!」


 そうこうしているうちに、墓地についた。



「母上、今日は兄上の恋人も来ているのですよ。」

 千寿郎くんはそう優しく語りかけながら、

 菊の花をお供えする。

 
 そう言われるとなんだか緊張してしまう。



 杏寿郎さんはお花に水をあげ、

 持ってきた線香に火をつける。




 私たちは静かに手を合わせる。


 風が優しく吹き込み、枯葉が道を転がる音がする。


 その音はなんだか人が話をしているようだ。


 そっと目を開けると、

 杏寿郎さんが私を微笑みながら見ていた。



「…兄上は何を母上にお伝えしたのですか?」


「…そうだな。

 母上が見守ってくれているおかげで、

 千寿郎がこんなにも大きく立派になっていることに

 感謝を伝えていた。」


 杏寿郎さんは千寿郎くんの頭を撫でる。



「きっと、瑠火さんは

 二人が元気で会いに来てくれたことを

 喜んでいられるのですね。」

 私がそう言うと、杏寿郎さんと千寿郎くんは目を見開く。


 私は目を閉じて告げる。


「ほら、耳を澄ましてみてください。

 風の音に乗って転がる葉の音が

 カラカラって喜んでいるみたいでしょう?」


 寒空の下、枯葉の転がる音は

 寂しく感じることの方が多いかもしれない。

 でも、今の私にはいくつもの音が重なって

 喜んでいるように感じた。


「君は面白い考え方をするのだな!すごく素敵だ。」


「母上が笑っているみたいですね!」


 二人が同じ顔をして笑う。


「そろそろ家に帰るとするか!」







 瑠火さん、この二人は本当に優しい兄弟です。

 どうか、二人が幸せに暮らせますように。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 朱乃さん» はじめまして。コメントありがとうございます!煉獄さん本当に素敵な人ですよね〜!ドキドキさせられているのであれば光栄です!今後も皆様が入り込みやすいようなストーリー作りに努めますので、ぜひお楽しみくださいね! (2021年10月22日 20時) (レス) @page47 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
朱乃 - 初めまして。私も煉獄さんが大好きで、妄想恋愛をするくらいなので、(きゃー恥ずかしい)こんなことが本当にあったらいいなーと毎回ドキドキしながら読んでます!続き楽しみです! (2021年10月22日 19時) (レス) @page46 id: 6c032548ee (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - さこさん» はじめまして。コメントありがとうございます。煉獄さん、素敵ですよね!キュンキュンしていただけて嬉しいです〜!最後までぜひお付き合いください! (2021年10月20日 21時) (レス) @page41 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - 初めまして。私は煉獄さんが大好きなので、キュンキュンしながら読ませてもらってます(^^)続きがすごく楽しみにしてます(^^) (2021年10月20日 21時) (レス) @page41 id: 8c0425346a (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 衣世さん» はじめまして!コメントありがとうございます。もどかしいですね…書いている私も胸を締め付けられています…笑 皆様が流れで読みやすいよう、更新頑張っております!引き続き、お楽しみください。 (2021年10月17日 11時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月16日 14時

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