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48.さつまいもの味噌汁 ページ48

翌日

 朝日が登る前に目が覚めてしまい、

 朝餉の準備をしようと台所へと向かう。

 杏寿郎さんが久しぶりに帰ってきたので、

 好物のさつまいもの味噌汁を作る。

 喜んでくれるといいなあ。

 材料に火が通り、味噌を入れて、

 一煮立ちしたところで火を止める。

 味見をすると、さつまいもの甘い風味が口に広がって、

 思わず顔が綻ぶ。おいしい!


 他の料理も完成したところで、

 バタバタと足音が近づいてきた。

「おはようございます!遅くなってしまってすみません!」

 慌てて来た千寿郎くんはいつもより髪が乱れている。

 瞼は少し腫れていた。


「おはよう千寿郎くん。

 昨夜、杏寿郎さんが帰っきましたよ。

 とりあえず、顔を洗っておいで!」


 杏寿郎さんが無事に帰って来たことを聞くと、

 千寿郎くんは安堵したような表情で、はい!

 と元気よく返事をする。


 昨夜は不安で泣いていたのだろう。

 なかなか帰ってこない兄の無事を

 毎日仏壇の前に座り、お祈りしている。



 母親を早くに亡くし、父親は自室に篭って出て来ず、

 酒ばかりを飲んでいる。

 きっと千寿郎くんにとって

 兄である杏寿郎さんは心の支えだ。


「わあ!今日はさつまいもの味噌汁ですね!

 良い匂いです。兄上も喜びますね!」


 悟られないよう、満面の笑みを私に向けてくれる。


「千寿郎くん、私の前では無理しなくていいからね。」


 一瞬、目を見開いた彼は


 すぐに困ったように笑う。


「Aさんには敵いませんね。」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - nさん» お楽しみいただけて嬉しいです!こちらこそ、読んでくださり、ありがとうございます。 (2021年10月19日 9時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
n - 凄く読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。 (2021年10月18日 22時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 全ての作品は読めていませんが、個人的に継子の実弥さんの切なくて好きです!新作も気になるので、読ませていただきますね! (2021年10月15日 21時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 狐姫さん» あのう、大変恐縮ですが、どの実弥さんがよかったですか? (2021年10月15日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 読ませいただきました!とても素敵です!!不死川さん良いですね!! (2021年10月15日 20時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月13日 15時

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