百十七話 写しを打つ者 ページ39
「………憑代、憑代。任務ダ。今カラ北西ノ村へ迎エ」
バサリ、と翼をうって現れた梟。
鎹鴉と同じ役割を果たすソレに。
そして生意気に上から目線な態度に、Aは怒り、呆れを通り越して笑いがこみ上げて。
「……はいはい。行きゃいいんだろ、行きゃ」
相っ変わらず人使い荒らいわ、と文句を言いながらも、刀をしっかりと握り、梟を腕に乗せた。
モノクロな梟の瞳の奥に、しっかりと神である紋様が視えて、Aは、はぁとため息をついた。
_____"魔法は使うな"、という命令である。
何という縛りプレー、だが当たり前の事だ。
元より鱗滝にも言われた通り、この世界にない力を操る者として、魔法は使用制限がかかっている。
第三者が大きく関わる任務だ、禁止令も出るだろう。
が、魔法を使うなとは飛躍しすぎだろうとは思うが。
「……バレなきゃ犯罪じゃねぇだろ。まぁ、もういいけどさ」
命令が下された今、それを取り消す事はAには出来ない。
だから従う事しか無いが反論、文句は言える。
そう、冨岡と鋼森塚の前を歩きその場を後にしたAに。
だが、あ、と思いだして足を止め。
「_____いってくるな、義勇」
くるりと振り返って、"いつものように"ヘラリ笑って見せた。
_____嗚呼、いつもの彼だ。
「………ああ」
いってらっしゃいが言えず、この一文字で終わる言葉としても、Aは嬉しそうに笑って、屋敷から気配を消した。
_____残された冨岡と鋼森塚。
縁側から射す光が部屋を照らすこの中で。
ひょっとこが、少し間を置いて、こう言った。
「_____水流様の刀は、何故貴方様の写しなのでしょうね」
「…………は?」
_____表情を殺した青年が、疑問と驚愕に固まった。
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時