八十三話 とばっちりを受ける者 ページ4
「…おっ、かなりゲッソリしてんな不死川。大丈夫か?」
「これが大丈夫に見えたら胡蝶の世話になれェ……」
「うっわスゲェ甘い匂い。んだこれ……餡子か?」
「おはぎだァ。それも山盛りのなァ」
「うへぇ、そりゃ災難だな……いや、おはぎなら天国か?」
「馬鹿言えェ、量が量だから地獄だわボケェ」
ガラガラと戸を開ければ、宇髄が手土産を持って立っていた。
その姿から、これから任務だろうと想像がつく。
……だが、なんか嫌な予感すんだよなァと。
不死川は、少しだけ背筋に冷や汗が伝ったのを感じた。
「そんな不死川くんに朗報です。………これ、俺の嫁が作ったんだが……」
「あァ?」
そう、手に持った包みを不死川の顔まで持ってきて。
…………廊下と、同じ匂いがして、それこそ凍りついた。
「…嫁特製のおはぎだ、食え」
「俺を殺す気かテメェらァ!」
_____流石に吠えた。
いくら柱と言えど限度というものがある。
それは萩に何回も何回も言っている事だが、彼曰く"これくらい食えて普通だろ?俺様より食う奴いるぞ"と顔を顰められて終わる。
いやだから其奴と俺は違うと何度叫んだ事か。
そんな矢先、まさか宇髄からもおはぎを貰うとは思わなかったと不死川は冷や汗ダラダラ。
「こうなったら宇髄ィ。テメェもこっち来いやァ」
「は?いや俺任務が」
「いいから来いやァ!!俺を死なせたいのかテメェ!」
「いやそれはおかしいだろ!つか俺が行かなかったら死ぬの一般人!」
_____確かに。
そう思って一度は引っ込めた手も、いや待てと彼の腕を掴む。
「ならおはぎ持ってけェ!!」
「だから何で俺がトバッチリ受けてんだよ!?」
カッと見開いた不死川に、宇髄は泣く泣く彼の屋敷へと足を踏み込んだ。
_____見慣れた廊下、だがその匂いは相変わらず甘ったるい。
重い足を運んで、ふとひとつだけ障子が無いことに気がついた。
「……あ?おい不死川。あそこの障子……」
「ついさっき萩が蹴り飛ばしたァ」
「あっそうなんだ…………蹴り飛ばした!?」
流しそうになったが、いや待てそれは流せねぇぞと不死川と障子を五度見した。
しかも、ついさっき。
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時