百七話 異世界の相棒なる者 ページ28
ゴホゴホと咳き込みながらも、しっかりと鎌の柄を握っている彼の瞳は、血のように緋く、炎のように怒りに染まっていた。
「先に喧嘩ふっかけたのディルだろ、俺は不可抗力だ!」
ヒュンヒュンとリナルドを回しながらAは叫んだ。
俺、無実_____ッ!と。
また新しく術式を展開させ、クルクルと廻る魔法陣を携えながら、Aは目の前の単細胞へと視線を向けた。
_____ディバルト・フォン・ルーカディア。
言わずもがな、Aの仲間であり、相棒である。
高身長で筋肉質な癖に細くモデル体系で、何より顔が良い。
橙色の髪をウルフカットに、所々に赤いメッシュが更に彼の性格を表しているようでAは偶に弄る。
そんなディバルト、26歳にAはほんの少しだけ不満を言うならば。
「お前もう少しだけ話聞こうぜ!?俺の話聞いたら多分リナルド手放すからさ!?」
_____兄弟揃って、話を聞かないのだ。
嗚呼、単細胞だ、それ以上も以下でもない。
ただ話を聞けば好感度も爆上がりでウハウハだろうが、それでも話を聞かない。
「テメェの話はどーだって良いんだよクソがッ!!要はテメェがこの世界を楽しんだか否かが重要ッ!!異論は認めねぇぞ!!」
「いや元凶お前の弟だし動機がお前絡みなのはどーでも良くねぇだろ!?異論しかねぇわ!」
ギャイギャイと騒いでいるが、これ、かなり危うい事を言っておく。
この2人、神を手にかけようとする神滅魔法の使い手であるからして、その力は絶大である。
リナルド同士が弾きあい生み出される衝撃波は木々をなぎ倒し。
轟音となって、彼らを中心に地面ごと抉った。
バサバサとAのマントと、ディバルトが肩から羽織っていた自身のコートがはためく。
……あれ、肩から羽織ってるだけなら何で飛ばされねぇんだ?と疑問に思ったが。
_____いや、待てよ?コイツの服…………
「"鬼殺隊の隊服"ッ!?ディル!お前まさか鬼殺隊員なのか!?」
「あ゛ぁ!?なんでテメェが鬼殺隊を知ってやがる!!」
ピキッと青筋がたったディバルトに、けれどもAは焦りを目にちらつかせて。
「い、いや俺さっき最終選抜終わったばっかなんすけど!?」
だからちょっとこの状況やばくないか?という言葉を続けようとして。
_____だが。
ディバルトのイメ画(自作)→←百六話 初見殺しの代名詞なる者
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時