百話 鎹鴉なる者 ページ21
あ、と炭治郎もお面を血が出ていない方の額に着けて、黙る。
_____そうして、最終選抜は終わった。
あの幼児二人は、淡々と喋っていたが、Aは何も聞いていなかった。
というのも、Aは密かに感じていた"あの気配"にじっと神経を尖らせていたからである。
そんな中、幼児が発した"鎹鴉"の言葉に、Aはバッと振り返った。
横にいた善逸が、え？何？と怯えながらも此方を見上げる。
_____ふざけるな。
Aは、無意識のうちに呟いていたらしい。
ひっと声を漏らした善逸が、ヘナヘナと座り込む。
……その肩に、一匹の雀が止まった。
「……え？鴉？……雀じゃね？これ…」
チュン！と元気よく鳴いた雀に、泣きそうになりながら言う善逸。
その目の前の青年の左腕には、雀が可愛く思える鳥が止まっていた。
それは、純白の羽を持ち夜行性の肉食鳥である_____
「……え！？"梟"！？鴉じゃなくね！？俺もだけど！」
………白い、梟がAの左腕に留まった。
いや、白だけでは無い。
片側が白く、片側が黒の、梟。
くるりと首を回すその鳥に、Aは。
_____なんで、テメェが梟になってんだよ、と。
「……"クソ神"、テメェ後で覚えとけよ」
くっと口角を上げて腕に留まる梟を睨む。
オコの顔で凄むAに、善逸はそれこそ腰が抜けた。
_____"聞こえる殺気の音"が、凄まじい。
この修羅場の中、何やら色変わりの刀を寄越せ、と世紀末かよとツッコミたくなる案件もあったらしい。
だが、自慢の長男が抑え込んでいたから大丈夫だろう。
………ミシ、みたいな骨の軋む音が世紀末君から聞こえていたが、聞いていないフリをした。
「鬼を斬り、自身を守る刀はご自身で選ぶのです」
何やら、世紀末君に髪をがっしり掴まれていた白髪の子を横目で見て、黒髪の子が話を進めるらしい。
双子だよね、心配しないの？とちょっと思ったが、まぁ…………いいんだろう、ツッコまないし。
バサッと腕から梟…………"フロウ"が飛び去り、鳥居に留まった。
梟、フロウ。まるで言葉遊びのような姿に"擬態"した忘却神に、Aはチッと盛大に舌打ちをした。
_____ビクッと下で震える善逸が肩を揺らす。
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます！天才だなんて恐れ多い……！とても嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年2月1日 6時) (
レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです！主さん天才！(^o^)更新頑張って下さい！ (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます！応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです！新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください！ (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます！よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします！ (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：極暇人 | 作成日時：2020年1月14日 20時
