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「着きました、ここです」
「うっわ、いかにもって感じ」
喋っているといつの間にか到着したらしく、車から降りて、廃墟を見上げる
廃墟から流れてくる呪力
それに少し、違和感を覚える
···これ、もしや三級四級のザコじゃないかも
その違和感の正体は、聞いていた三級四級よりも濃い呪力
···二級とかいたらどうしよっかなぁ
「早く行きましょう、彼方先輩」
うーんと頭を悩ませていると、伏黒が急かす
もうちょい作戦練りたかったんだけどな
「ハイハイ、伏黒はせっかちだねぇ。じゃ伊地知さん、帳下ろしといて」
「分かりました」
「今日は自分で下ろさないんですか」
伏黒の言葉に、彼方先輩帳下ろせんの!?とはしゃぐ虎杖君とそれを抑える釘崎
「ん〜、私気分屋だから」
その返答に、疑うような視線を向ける伏黒
···伏黒ったら、疑い深いなぁ
「さ、行こ」
伏黒の視線を無視して、四人で廃墟へと足を踏み入れた
····本当は、今日は任務にちょっと集中できてないから、伊地知さんに下ろしてもらった方がいいかなと思ったんだけどね
·
「それじゃ、二手に別れようか」
一階と二階、二手に別れた方が、早く終わるでしょ?
「どう別れますか」
「私一人と一年三人で。私二階行くから、君らは一階ね」
それに、ちょっと待ってくださいと突っ掛かる伏黒
今日、よく伏黒突っ掛かるよね
「いくら彼方先輩が強いからって、一人じゃ」
「そうよ。ここは二二で別れた方がいいわ」
「俺もそう思う!」
どうやら、一年は私の意見に反対らしい
でもなぁ〜、纏まったら時間かかるし、二二で別れても、私がいない方が心配だ
二級がいた場合の事を考えると、この方がいいと思うんだけど
チラリと三人を見ると、絶対に譲らないという目をしていた
はぁー
「それじゃ、玉犬一匹貸して」
「玉犬?」
「そー。玉犬が居れば私一人じゃないし、玉犬強いから大丈夫っしょ」
私の提案に、納得いかないような顔をした伏黒
だが、ため息を溢した後、玉犬を出してくれた
「···分かりました。終わったらここで。行くぞ」
釘崎と虎杖君を引き連れて建物の奥へと消える伏黒を見送る
私の足元には、真っ白な玉犬がすり寄って来ていた
···かわいいなぁ
「私達も行こっか」
二階へと上がる私に、玉犬は大人しくついてきてくれた
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征羅(プロフ) - ぷっちさん» 泣けるだなんて・・・ありがとうございます。その辺のキャラの感情を文字に現すのが難しくて自信が無かったのですが、そう言って頂けると自信が持てます。こちらこそありがとうございます! (2021年3月9日 0時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
ぷっち(プロフ) - 凄く泣ける話ですね...。支えようとして支えきれなかった棘くんやパンダや真希ちゃんの虚しさや悲しさがとっても伝わって来てポロリと泣いちゃいました。これからどうなるのかが楽しみです!素敵な作品をありがとうございます!応援しています! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 08c7b31625 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 鹿毛さん» こんにちは。そんなに褒めていただけてとっても嬉しいです!テンポ重視にしてるので、そこ褒めてもらえると嬉しいですね。尊敬なんてそんな・・・ありがとうございます (2021年3月1日 15時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
鹿毛(プロフ) - こんにちは。セリフのテンポが良くて読みやすいです!特に4話のレントゲンの発想が今までになくておもしろいですね!パンダくんの「おまえ酷いこというな」の流れもとてもきれいに嵌まっていていてマジ尊敬です…… (2021年3月1日 14時) (レス) id: 67d713f823 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます。原作メンバーが夢主をどう思ってるのかはもう少しして書こうと思っています。更新頑張ります (2021年2月28日 21時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:征羅 | 作成日時:2021年2月23日 12時