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幼く、術式も使えないのに、瞬時に思った
振り返ったら死ぬ。振り返らなくても死ぬ
無意識に、私達は、繋いでいた手を強く握っていた
カタカタと震える体と、吹き出す汗
怖い
そんな感情に支配された
「─────七巻の子供に、彼方の子供か。ちょうどいいや」
楽しそうな声
なにがちょうどいいの。なにがたのしいの
その声は、私達の恐怖を煽った
カタカタと震えていると、悠斗は私の手を離した
そして振り返り、おぞましい気配のヤツに、まだまだ未熟な術式を発動しようとした
絶対に敵わない
「ゆう────」
悠斗を止めようと、勇気を出して振り返る
すると、ぐしゃり、と、嫌な音が聞こえた
振り返った先に、もう悠斗はいなかった
目の前にいるのは、血のような赤い髪と、笑った口が特徴的な呪霊
アイツだった
その時、まだヤツは目を隠してはいなかった
悠斗はヤツに吹っ飛ばされ、私の背後で倒れていた
「ゆうと────っ！」
悠斗に駆け寄ろうとした私を、ヤツは抱えた
抱えられた衝撃でガラスの髪飾りが私の髪から落下し、ガシャーンと割れた
怖いと痛いが交ざる
ヤツは私を見つめて言った
「────ふーん、まだ術式は自覚してない、か。じゃあ先に、」
「君を殺そう」
ヤツは長い爪が生えた手を振り上げた
死ぬ────そう思って、ぎゅっと目を瞑る
「やめろ！！」
聞こえたのは、悠斗の声だった
血だらけの悠斗は立ち上がり、ヤツに睨んでいた
「Aを···離せ」
「ゆうと、にげて···はやく」
「へー君、Aって言うんだ」
私は一生懸命に言った
逃げてと、はやく逃げてと
でも悠斗は聞かなかった
悠斗は目を瞑り、私に叫んだ
「A！！僕の目を見て、助けてって言え！助けてって願え！」
「念じるんだ！僕に！！」
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征羅(プロフ) - ぷっちさん» 泣けるだなんて・・・ありがとうございます。その辺のキャラの感情を文字に現すのが難しくて自信が無かったのですが、そう言って頂けると自信が持てます。こちらこそありがとうございます！ (2021年3月9日 0時) (
レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
ぷっち(プロフ) - 凄く泣ける話ですね...。支えようとして支えきれなかった棘くんやパンダや真希ちゃんの虚しさや悲しさがとっても伝わって来てポロリと泣いちゃいました。これからどうなるのかが楽しみです！素敵な作品をありがとうございます！応援しています！ (2021年3月8日 23時) (レス) id: 08c7b31625 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 鹿毛さん» こんにちは。そんなに褒めていただけてとっても嬉しいです！テンポ重視にしてるので、そこ褒めてもらえると嬉しいですね。尊敬なんてそんな・・・ありがとうございます (2021年3月1日 15時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
鹿毛(プロフ) - こんにちは。セリフのテンポが良くて読みやすいです！特に４話のレントゲンの発想が今までになくておもしろいですね！パンダくんの「おまえ酷いこというな」の流れもとてもきれいに嵌まっていていてマジ尊敬です…… (2021年3月1日 14時) (レス) id: 67d713f823 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます。原作メンバーが夢主をどう思ってるのかはもう少しして書こうと思っています。更新頑張ります (2021年2月28日 21時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：征羅 | 作成日時：2021年2月23日 12時
