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決して嫌いになりたい訳じゃない。だが、彼女がサッカー部を倦厭していたころの台詞の数々が脳裏を過ぎって、どうしても話しかけるのを渋ってしまう。話を聞いていても良い子だということは伝わってくるのだが、こればかりは仕方ない。



「……雷門さんには言わないでほしいな。あの子、ああ見えて傷つきやすいでしょ」



「…………分かった」



「あんまり関わったことないし、気にしないでいてくれるならそれで良いんだけどね」



幾ら彼女が苦手なひとだとはいっても、自分のせいで悲しむ人はこれっぽっちも見たくなくて。
豪炎寺と鬼道は私にも苦手な人種が居るのかと驚いていたが、言わないでほしいと苦笑気味に頼めばこくりと頷いてくれた。嫌いたい訳じゃない、ということは伝わっているといいのだけど。



不意に訪れた静寂。周りの元気な騒ぎ声が妙に煩く感じる。この沈黙は耐えられない、だからこんなこと言いたくなかったのに……なんて言える状況でもないが、心の中でぼそぼそ呟いた。
しんみりしてしまった雰囲気を挽回しようと、私は柄にもなく大きな声を出して話を変える。



「ッそういえば!鬼道は今日から正式に雷門に生徒になるんでしょう?どこのクラスに入るか知ってるの?」



「いや、未だ聞いていない。本当に突然の手続きだったからな……。むしろ、今日から通えるように取り計らってくれた雷門には頭が上がらない」



「俺たちが頼み込んだのは、確か一昨日の夜だったからな……」



元々私と豪炎寺が考え付いた計画だ。雷門サッカー部の監督には豪炎寺から話を通してもらったが、全てを押し付けるわけにはいかない。ただでさえ理事長は事故に遭って入院中で、今の理事長代理は娘であり生徒会長である雷門さんだ。サッカー部の問題とは言え、只の一生徒である彼女に多大な迷惑をかけることに変わりない。
結局話し合って、二人で――――正確には当事者である鬼道も含め、三人で頭を下げることになった。

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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - わたぐもさん» わたぐもさま ありがとうございます。長らくお待たせいたしました。今後ともお楽しみいただければ幸いです。 (2022年7月2日 22時) (レス) id: 555a0dca31 (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - とっても好きな作品なので、再開凄く嬉しいです…! (2022年7月1日 23時) (レス) @page43 id: 5d152484ae (このIDを非表示/違反報告)
鱗川 - ゆっくりで良いので頑張ってください! (2022年3月25日 1時) (レス) @page40 id: d49fa68ddd (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれると嬉しいです。待ってます。 (2020年2月27日 14時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
- 更新再開するんですね...!ずっと待っていました!この作品の夢主ちゃん可愛いし、性格も大好きで憧れなんです。これからの更新楽しみにしています! (2019年3月4日 5時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Aoi | 作者ホームページ:http://nanos.jp/aika398/  
作成日時:2017年11月8日 23時

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