夢と現界 ページ3
ズシッとまるで重しが頭の上に乗った痛みが感じ、ふと目が覚める。当たりを見回すと物凄い形相でこちらを睨んでくる同期の姿があった。
「仕事中に居眠りとは、お前も随分と偉くなったものだ」
「えぇ 少なくとも貴方より偉い立場になりましたよ」
このように嫌味を言い合うのはいつもの事。後輩や部下達は慣れているため仕事に集中する者の他、本気に捉え慌てて止める者もいた。
随分と懐かしい夢を見た。
あの時、彼の言葉を聞かず異能力を使っていたら助かっていたのかもしれない。そう思うと、警察官失格だと毎回思いふける。
1度、辞表を出し実家に帰って家業を手伝おうとしたら上司に説得され私の目の前で辞表を破り捨てた。
上司曰く、ポートマフィアの“他にも”潜入している組織の仕事が残っていると言われてしまい、返す言葉を失った。
そう、私も三重スパイだったのだ。
降谷と同時期にあの偽名を使い、組織に潜入したのだ。 この話はおいおいはなすとしよう。
毎回、ガラケー(仕事用)を開きあのメールをつい開いて見てしまう。
───────────────────────
Re: 無題
To: A
From: 織田
俺はお前の正体を知っている
が、優秀で幹部という肩書きに免じて
知らないふりしておこう。
寧ろ、沙耶はそっちの方がお似合いだ
それと、俺もこの職業を辞めて小説家になろう
と決めた。
P.S.
裏切り者だと分かってながら溺れる俺は相当な物好きなんだろうな。返事待ってる
織田
───────────────────────
消そうと削除ボタンを押そうとするもなかなか出来ず引き摺っている。とうとうこれが癖となってしまった。
いつものようにこのメールを見ていると背後から視線を感じ、振り返る。
「知ってるか? 未練がましい女は嫌われるぞ 特に男にな」
「余計なお世話です どうせ私はねちっこいですよ」
フイッと顔を逸らし、書類整理を再開しようとするも顎をくいッと引き寄せられ距離が一気に縮まる。
こいつはなかなかの美形だからこういうことされるといくら嫌味な相手でも調子が狂い、一気に熱が上がる
「んな、…! 何して…」
「黙ってればそこそこいい女なのに…」
「は、はい…?」
「な、何でもない! その顔やめろ
俺にも移るだろ!!」
自分のやってる事に気づいたのかパッと手を離しそそくさと入口へ移動する。
それと同時に、上司から嬉しい一言を頂いた。
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏仁豆腐@スガエル(プロフ) - ルチアさん» すみません、たった今気づきました( ˙-˙ )励みになります。嬉しきお言葉!ありがとうございます (2018年2月6日 13時) (レス) id: 0a35bafc5f (このIDを非表示/違反報告)
ルチア(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2017年8月2日 5時) (レス) id: 0f75b247de (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐@スガエル(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!!!励みになります! (2017年7月23日 14時) (レス) id: 0a35bafc5f (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - とても面白かったです! 更新頑張ってくださいね! (2017年7月23日 14時) (レス) id: fb8453ace7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杏仁豆腐@スガエル | 作成日時:2017年6月19日 22時