優しさは、時に棘になる (ページ12)

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#12 ページ12

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もう一度目を覚ますと昼前になっていた

人間というものは空腹には勝てなくてお腹が鳴る

「阿部さんの料理食べたいかも、」

まだ重たい体を起こして阿部さんを探す

「一階かな、、」

階段を降りていくとなんか笑い声がした

阿部さんの友達でも来ているんだろうか

「阿部さん、すいませ、、っ！」

え？

なんで？

『A、、』

どうしてここに彼がいるのだろうか

〈Aさんの知り合い？〉

「どうして、、」

『探しとった、、あの時のこと謝りたくて』

今更なんで出会ってしまうんだろう

しかも彼はまだ私を探していた

『A、帰ろうや、』

そんな優しい声で、優しい眼差しで帰ろうなんて言わないで

また胸に棘が刺さるように痛い

〈Aさん、〉

「ごめん、帰るつもりないの、」

私はこの空気に耐えられなくてまた階段をかけ上がった

彼の元にもし、帰ってしまったらまた彼の優しさに甘えてしまって苦しむだけだ

私は性格悪いからもう彼の傍にはいれないよ、

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