第135話 ページ37
『″″海は天へ向かうだろう″″』
陣の真ん中に彼女を誘導して、封印術を発動する。
気づかれなかったのは、長い間に封印されてて感覚が鈍ったんだろう。思考は狂っていても考える力はあるから。
「離せっ!!」
『″″夜の光に灯る真実″″』
彼女の身体に巻き付く、赤い糸。
細い糸だが、動けは動くほど絡まり、強くなっていく。
『″″言の葉のせて声を聞け″″』
「くそっ....!!」
『(口悪.....)″″はてなき繋がり、ほどけぬ前に″″!』
バァァァァ.....、ガッ!!
『封塞印糸、急急如律令......!』
糸は強く、呪力を捕まえて逃がさない。
『悪いけど、君はここで封印させてもらうよ。......久世の力になるまでね』
「いやぁいやぁぁぁ!!!私はあの方を探すのぉぉ、あの方をあの方は........私の光.......。なぜ、月姫が十六夜の娘に娘なんかにぃぃっっ!!!お前はあの方のモノだろうぉぉぉーーー!!!」
あの方?
この呪力は誰かを探してるの?
愛おしくい、狂うほどに好いた誰かを?
『.........会えるといいね。うん、いつか会えるよ』
「!?あ、ああああぁぁぁぁぁ.....!!見つけた─────.....」
バッ!!
糸が完全に絡み合い、陣と共に負の呪力は消えた。
中央に立っているのは、目を閉じている久世。
本人の方だろう。
グラッ。
『!』
久世の体が揺れ、倒れそうになるのを支えた。
支えながら、舞台に寝かせる。
.....良かった、大丈夫だ。
怪我もなし....とは言えないか、擦り傷程度はあるね。
──ソナタが妾に指示を出したのじゃ。傷など一切つかせておらんわ──
だけど、心配なモノは心配なんだよ。
『(それにしても、中々のオリジナル呪文。前世の知識が適当にいかされたな.....。多分!)』
「.....ん」
『お、起きた?』
「........私の....私の.....たった一つの.....光....」
『?』
私を探すように手を伸ばす久世の手を私が両手で掴んだ。
「彼方....様....彼方様....彼方様....」
『はい、彼方だよ....』
「ご、ごめん、....な、さい.....。ごめん、なさい....ごめんな、さい.....」
ポロポロと涙を流しながら、謝る久世の額を撫でた。
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです!無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいッッッ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月31日 17時