第121話 ページ23
本土の学校からいつの間にか転校手続きがされており、私は島の青陽院の一組に転入させられた。
い、いつの間に....！
繭と士門も同じ一組、ろくも同じだろうと思っていたら、まさかの十組。理由を聞くと有馬さんがろくの腕に何か術を施したらしい。
何を考えているんだ、あの人は。
本当にわからない。
──────────
その晩。
ザァァ....。
『！』
布団から体を起こし、音の聞こえた庭の方を見る。
足をゆっくりと外に出して、立ち上がる。
障子を開けて、そこに広がる見慣れた庭。日のでている時とは違う雰囲気を放つうちの庭、音の.....気配のした方に語りかける。
『.....普通に会いに来ればいいのに......不法侵入だよ』
そこにいるであろう彼女は無言。
気配は「ドキッ」と少し焦ってるよう。
『.....君はいつも、ここに来ていたの？』
返事はないけど、肯定の意味ととらえる。
『天馬が心配するよ？.....まあ、私も君とは会いたかったけどね』
ザァァ.....。
「こ、こんばんは.....」
『こんばんは。久しぶりだね、久世』
距離は放れているけど、姿を見せてくれたろくろと未来と同い年の女の子。薄桃色の髪が風に揺られる。
輝芽久世。
ろくろ達と同い年の女の子で陰陽師。天馬のところの鵜宮家傘下の一つ輝芽家の者である。まあ、いろいろと面識アリで妹みたいに思ってる。
『大きくなったね、可愛い.....！』
「.....っ...！！そ、そんなことない....ですっ....！」
『そうかな〜？可愛くなったし、強くなった』
「！！....そうですか？！」
『うん』
頬を桃色に染めて、こちらを見た久世に頷く。
気配の消し方も上手くなってるし、陰陽師としての実力も上がっている。あと、天馬から少し話を聞いたので。
久世のことは少しはわかる。
七年という時は簡単には縮められないけど.....。
それは士門も天馬も未来達も....、勿論、目の前にいる久世にだって当てはまる。一緒にいなかった時間は簡単にはうめれない。皆をみてるとそう思うよ。
「.....ど、どうかしましたか？彼方様」
『え、あ、大丈夫！....って、様は止めてって言ったじゃん』
「す、すみませんっ！！で、でも！彼方様は彼方様なので！」
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです！無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (
レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいｯｯｯ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月31日 17時
