第100話 ページ2
手入れさせていて、ここには誰かが住んでいるように感じるが生活感はない。それもそのはず、ここには誰も住んでいない。
『......ここは.....』
ここは.....、私が七年前に暮らしていた家のはなれ。
私が自身の部屋として使用していた場所だ。
誰も住んでいるはずないのに埃一つ無い。障子の紙も真っ白、白い壁、壁の方にあるおしゃれな棚。きれいに並べられているお菓子の本と料理の本。.....の中にある家の書物的な本.....。
あれ、蔵にあったのに私の部屋の料理本と一緒に入れていたんだよね....。ヤバい、そのまんまだ....。帰ってきて早々に問題発生かな.....。
「お前の部屋は未来と家の使用人の奴らが毎日掃除していたんだ。.....後で、礼を言っておけ」
『未来が.......?』
それに家の人達が私の部屋を?
あれ、て言うか......、
「未来と境なら今、双星の片方と天若の娘に会っているぞ」
『え』
十六夜未来。
私の実の弟。
そして、現当主は私の兄、十六夜境。
過去さんが言っていた双星の片方はろくのことだろう。
天若の娘って言うのは清弦さんの娘の繭のこと。
二人と会ってるって.....。
バッ!
『え!?それって.....!!?』
あの面倒くさくて濃いメンツの家に会いに行っているってこと!?それたしか、士門から聞いた明日の予定だよね!?明日の予定を今日聞くって事は.......。
「お前の思っている通り、お前が島にきたのは昨日。......一日過ぎて着るぞ」
『げっ!』
「......ほら、これ」
上半身を起こした私に過去さんが、布を渡す。よく見ると白い揺ったりとした長袖ワンピース。そして、昨日背負ってきた私のお泊まり道具全てが入ったリュック。
「着替えはさせたが、さすがに意識のないお前を風呂にいれるのは無理だったからな」
これはお風呂に入ってこいというやつか?
よく見たら、自分の服装は寝巻きようの浴衣。布団に寝かされている時点で気づけば良かった.....。着替え(ワンピース)とリュックを持って、布団から出た私。
『じゃあ、行ってくるね.....!』
一日お風呂に入らないなんて、なんか気持ち的に嫌なので早速入りにいく。もうダッシュだよ!!
ダッ。
『いっ.....!!』
その途中、お決まりのようにつまずいて転んだのは余談である。
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです!無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいッッッ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月31日 17時