第97話 ページ49
都内空港から飛行機で南へ一時間。
中継地となる最寄りの島から専用の船で更に五時─────。
「うっ......」
『だ、大丈夫.....?』
「よ、酔い止めは?」
乗り替えの度に、乗り物酔いを発揮する士門。ろくろと私、繭良の三人で彼の心配をしまくった。どんだけ乗り物に弱いの.......。
『あ、あれ.....じゃない.....?』
紺碧色の大海原に包まれるようにその島は凛然と佇んでいる。
「み......見えた、土御門島だ!!」
『あそこが........土御門......島』
──────────
土御門島雷無地区御忌港・御忌港船客待合所
港につき、船から降りる。ろくろが先を歩く(早く船から下りたい)士門の後ろについていく。
「あっ........ホラ、あそこ」
「おおおおおおお来たああああっ!!!!」
「双星の陰陽師だああああああっ!!!!」
降りたとたんに、たくさんの人達がろくろに話しかけている。
「え......なっ何これ!?」
「こっちだ、ろくろ」
たくさんの人達の横を通り、先頭の士門についていく。
「なあ士門これどういう状況!?」
「すまんな。歓迎などはしないように言っておいたのだが、港への立ち入り自体を禁止しておくべきだった」
「そういう意味じゃなくてさ」
ろくろ達、双星の陰陽師へのこの盛り上がり方だ。
「ねぇねぇ!」
「双星の陰陽師なの!?」
「婆娑羅を二人も倒したって本当〜〜〜〜っ!?」
島の子供達に質問責めされるろくろ。繭に助けを求めるが「夢が叶ってよかったね」と言われる。
「お姉さん、お姉さん!」
「お姉さんも双星の陰陽師なんですよね!!」
「え?いや、私は.....」
ろくを繭と一緒に見ていると島の女の子に声をかけられた。
声をかけられた繭が戸惑っている。
「二人は夫婦なんでしょ!?」
「ほひ!!?」
島の少女の言葉に繭が顔を赤くする。
そりゃあ、そうだ。
「神子はいつ生まれるんですか〜〜〜〜っ!?」
「ちっ!違うわよっ私は双星じゃないから!!」
「そうなんですか!?」
すごい勘違いをされた繭。双星じゃないことがわかると子供達は、紅が来ていないことを不思議に思い聞いてきた。ろくが返答に困っていると士門が助け船を出してくれた。
ナイス、士門!
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夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月31日 13時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない!面白いです!!これからも頑張ってください! (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月22日 16時