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第78話 ページ30

『繭、小夜さん。私は死なないから。大丈夫!先に現で待ってて?』



両目に涙をためる小夜さんを見つめて、微笑む。繭に視線を移して「お願いね」と言う。繭は、それを見て力強く頷いてくれた。



「........必ず.....必ず帰って来てください!かな姉様!!」

『!......うん。帰ってくるよ』



「行って!」そう言って、二人を先に行かせた。
小さくなっていく後ろ姿を見て、呼吸を整える。



『ゾクッ)』

「.......早い再開じゃねぇか?小娘」

『覚えてないけど........、そうみたいですね』

「覚えて、ない?........だが、一年前と違って陰陽師の力があるみたいだな?」

『あれから、陰陽師として戦えるように戻りましたから』



実際は、あの一年前から修行してたけど!!
本当のことは言わないでおこう。というか、清弦さんによれば私が記憶失くなった原因、こいつらしいんだけど......。覚えてないのこいつのせいじゃん!



「ハハハッ!!!........本当は島でお前と殺し合おうと思っていたが、でかい呪力のぶつかり合いに双星の気配と十二天将の気配がしたからなぁ〜〜!!」



ろくろ達を狙っていたの!?あっちはあっちで婆娑羅と戦ってるっていうのに、こいつがこっちに来てくれてある意味良かった。



「興味本意で来てみれば、お前がいる。........嬉しいねぇ!!本来の力じゃなさそうだが、まぁいい」

『!』

「戦えぇえええ!!!彼方ぁああああ!!」



一瞬のうちに、お腹を蹴られ飛ばされる。
ろく達がいる方でも、繭達がいる方でもない。



良かった。私が急に来て、ろくろ達の負担になりたくない。続けざまに何発もいれられる。



ドッン!!!



ガラガラガラッ。




岩が粉々に崩れた。体全体が痛い。でも、この程度の痛み清弦さんのスパルタ修行に比べればへでもない。



「こんなもんかぁ〜〜?昔のお前はもっとすごかったぜ!!」

『それはすみませんねっ!!』



こいつは私のファンかストーカーか何かか!?

霊符を一枚取り出した。こんな所で死ぬとかごめん。まだ、記憶も取り戻してないし、好きな人にもあってない。小夜さんとも約束したし、ろくや紅、繭に士門ともまだまだ一緒にいたい。



『(それに───────)』



私の言葉に「待ってる」って言ってくれた彼女にも逢いに行ってない。


 

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夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月31日 13時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない!面白いです!!これからも頑張ってください! (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月22日 16時

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