第3話 ページ5
亮悟さん達の言葉の矢に攻撃されショックを受けたろくろが私の方を向いた。
「姉ちゃんから見て、俺のいい所は！！どこだと思うう！！？」
『ろくろの良い所は......』
期待に満ちた表情のろくろ。
『..........子供っぽい所？』
「こ、子供っぽい.....所.....！！？」
私の言葉で半端ない落ち込みを見せた。「ガーン」という効果音がつきそう。「子供っぽくって可愛いんだよね、ろくろ」という私の言葉を聞いて「可愛くねぇ！！」と反応するろく。そういうとこなんだけどなあ。
「そんなことよりも、ろくろっ！！」
「！」
「お前またケガレ祓いサボったな......！！！！毎回毎回、適当なこと言って逃げやがって！！」
「う.......うっせえ放せっ！！」
ケガレ払いの事で亮悟さんに怒られるろく。怒られてたろくが、将来の夢を語り出す。アイドルになって「キャ〜〜キャ〜〜」と言われたいと。
あれ？.........ろくって前回サッカー選手になるって言ってなかったっけ？その前はお笑い芸人になるって。亮悟さんも気づいて、ろくへの怒りが倍になる。
「違ぇって！！今度こそ本気なんだから」
「そう言えばろくろ。アイドル事務所から書類審査落選の通知が届いとっ........」
「勝手に開けんなああああああああっ！！！！」
じっさまが見せてきたのは、書類審査の落選を報せる紙。「出直して来い」って書いてある。何て書いて書類送ったんだろう.......？
「ろくろ......もう自分を偽るのはやめろ........。お前はな、勉強は出来ないし。多趣味だけど飽きっぽいし、スポーツもそこそこだし、顔だって勿論イケメンじゃない」
「いいとこ全然ないじゃないか！！」
亮悟さん......。「勿論イケメンじゃない」ってのは、確定なんですね。もうちょっと、オブラートに言ってほしかったと思うんだけどなあ。
「だからお前は陰陽師になるしかないんだよっ♡」
亮悟さんがその後に話した「きっとなれる！」「なれるかも知れない。」「なれなくたっていいじゃないか！！」って言葉がなかったらよかったのに.....。
「うるせえええええええええっ！！！！どいつもこいつも馬鹿にしやがって！！今日という今日は家出してやるっ！！」
涙目になりながら、家出する発言をするろくろ。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月12日 20時
