第31話 ページ33
ろくろと清弦さんが禍野に行った後。
「のぉ、ジジぃ。二人は何の話をしておったのじゃ?........キバ小僧に昔何があった?」
「?今更何を言っておる。ろくろは雛月の悲劇の生き残りじゃ」
「何じゃと......!?」
じっさまの言葉を聞いて、取り乱す絹さん。その事にじっさまは「ババ。お前陰陽連から、有馬様から何も聞いておらんのか?」と聞いた。
「そんなことは一言も知らされておらぬ......!で......ではっ!紅緒様はそのことを知っておるのか!?」
『紅は、知ってますよ。その話。昨日、繭がろくについて紅に話していたので』
「......こ......こんな」
驚きの表情を隠せない絹さんと昨日の紅の様子といい、何か関わりがあることがわかる。
いったい、どんな関わりが......?
「紅緒さんと雛月寮に繋がりがあるんですか!?」
亮悟さんの言葉に、絹さんがポツポツと話し始めた。
「.......紅緒様は......紅緒様はご家族をケガレに殺されている」
「「「『!』」」」
そう、だったん......だ。
「元々紅緒様は四人家族。お父様、お母様そして、双子のお兄様がいらっしゃった。ご両親は紅緒様が八歳の時にお兄様は十二歳の時に命を奪われておる」
「故に、紅緒様には討つべき敵は二人いる。ご両親の敵は婆娑羅の男_______じゃが、お兄様を殺したケガレのことはまだ詳しく分かっておらん」と絹さんは語っていく。
「え......ちょっと待って......?お兄さんが死んだのが紅緒さんが十二歳の時って........それって、二年......前って!?」
「ご両親が亡くなられた後紅緒様は───────代々女性が家督を継ぐ家柄故化野家に残り、お兄様.......″悠斗″様は父方の実家・石鏡家に引き取られた」
『!?』
「石鏡.....悠斗」
「そう、紅緒様のお兄様は悠斗様は雛月寮にいたのじゃ......」
嘘で、しょ.....。
紅のお兄ちゃんが、......あの、子?
──かな姉!──
──かな姉のお菓子は美味しいね!!──
──ありがとう。かな姉───
『......悠.....斗.....』
君が、作り出した悲劇は、まだ、終わらないんだね?
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時