第25話 ページ27
「お?起きたか繭良ぁ!」
彼女に聞こうとした時、制服から私服に着替えたろくろが現れた。繭が起きたことでホッとした様子だ。私達が何を話していたかを聞いてきたが、紅が繭を家に送った方がいいと言った。あ、本当だ。
時刻は、午後七時五十分。
「そういえば、姉ちゃん」
『ん?』
「亮悟達の晩御飯作らなくてよかったのか?」
『ああ、それは大丈夫。繭良の事話して、絹さんに晩御飯の準備を頼んだから』
「そうだったのか」
禍野から助かった繭の様子を見に行くと言って、絹さんに亮悟さん達の晩御飯を頼んだ。なので、遅くなっても大丈夫。
「じゃあ帰るか、繭良」
「へっ.....そっ....そんなことして大丈夫なのっ....!!?」
「な.....何で?」
「だって二人は夫婦なのに夫が妻以外の女と二人きりなんて不倫に......」
「だからコイツとは結婚なんてしてねぇって!!!!」
「そのままお持ち帰り頂いても結構ですが」
二人とも結婚については全力で否定。
良い感じに信頼関係が気づけてきてると思ったのになぁ。
その後、ろくは繭を家に送り、私は星火寮に帰った。
帰り道、空を見上げると無数の星がよく見えた。
『!』
──わぁ、綺麗な星.......──
──好きなのかあ?星──
──うーん?.......星も好きだけど.....、やっぱり、月の方が好きかなぁ......──
──ああ、よく見てるよな──
──あ!月を見るなかでも、____と見る月は特別に感じるよ!!──
──......それ、他の奴には言うなよ?──
──え?うん、わかった──
また、昔の記憶。
小さな私と同じぐらいの年の男の子がいた。
この間の男の子。
けど、顔が見えなかった。
″星より、月が好き″かぁ。
今と同じ、あの子の名前を小さな私が呼んでた......。
その部分だけ、聞こえなかったけど、暖かくて、幸せそうだった。
ただ、最近の小学生ぐらいの子ってあんなにませてるの!?
自分だけど.....、小さい時の自分だったけど!!
あれかな?小さい子だから、素直な感想を言っちゃったパターンかな!?
.......私の小さい時が心配になってきた。
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時