第20話 ページ22
土御門さんと話した後、別れて星火寮に帰ってきてから数日後。亮悟さんは、この間の怪我で病院に入院することになった。そして、ろくと紅も今日から別の家で暮らすので御飯が三人分作らないことになった。
『う〜ん.....』
いつもより、少ない食材。
物足りなさがある。
.....ろくと別に暮らす........どうやら、私は精神的ダメージを負ってるらしい。弟離れできてない私。いや、だって五年間も一緒に育った可愛い可愛い弟といきなり離れるって......そんなの無理!!だが、姉としてはろくにはカッコいい私を見てほしいので見栄をはってしまう。
『.......あぁ〜〜、頑張れ!!私〜〜〜〜!!!』
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登校日。今日は学校があるのでいつもより早めに、朝御飯の支度をして、家を出る。そして、絶対起きなさそうなろくを起こしに行くことにする。後、朝御飯の準備も。絹さんが、紅の新しい制服を届けたりと御手伝いをしに先に出て行った。
先日行った二人の家の玄関を開ける。
靴を脱いで、台所に行くと絹さんがすでに朝御飯の準備をしていた。ろくろと同じ中学の制服を着ている紅。似合っている。
「おはよう......ございます」
『おはよう、制服似合ってるね!』
私が褒めると頬を赤く染める彼女。
本当に可愛い。
『あれ、ろくろは?』
「.......ろくろは、まだ寝てる」
『やっぱり......』
紅は起きているのにろくろが見当たらなかったため、同じベッドで多分寝ている彼女にろくの居場所を聞く。予想通り、まだ起きてない。
「ぎゃぁあああああ!!!!!」
『起きたね』
ちょうど、起こしに行こうとしたら叫び声が聞こえた。絹さんと降りてきたろく。起こしてくれたのは、絹さんか。やっぱり、起きれないのね.....。いや、新しい環境だからかな?
『おはよう、ろく!』
「姉ちゃん!?何でここに!?」
『起きないろくを起こしに来ようと思ったんだけど.....絹さんに起こしてもらったみたいだね?』
「ウッ........まあな」
起こしかたが、怖かったのかな?
すごい叫び声だったし......。
絹さん、何したんですか?
『(どんなにデンジャラスな起こし方をしたのやら......)』
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時