月姫の陰陽師 (ページ18)

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第16話ページ18

篤さん、そういうのはそっとしておくものでしょ！何かろくろが紅に関節技かけまくられて、負けてるんだけど。黙って部屋を出ていく紅。廊下では亮悟さんが紅にろくろの事を話していた。それを立ち聞きしているろくろは、恥ずかしそうで照れていた。

「.......っ！？.......はっ恥ずかしいこと言ってんじゃねえぞ亮悟のヤツ～～～～っ！！」

『私にとってもろくろは世界で一番かわいい大切な弟だよ.....！』

亮悟さんの「世界でたった一人のかわいい弟」発言に私ものっかってろくろに伝える。さっき以上に顔が赤くなるろくろは照れてる。ろくろをおいて、亮悟さん達をお見送りに行く。

「......」

『深く考えないで、ただ、ろくと仲良くしてくれればいいよ？紅のやり方で』

「私の.....やり方？」

『そう、ゆっくりでいい。ろくろのこと姉である私からもお願いね』

それだけ言って部屋に戻る私。
あの二人はきっと大丈夫.......。

──────────

亮悟さん達が帰ってくるまで、部屋でこの間かった小説を読んでいる。それにしても遅いなぁ。

ガラガラガラ！！

『！！』

帰ってきた。
本を本棚に戻し、玄関に行く。

『お帰.....え』

そこには怪我をした篤さん本人と彼を支えている慎之助さんがいただけ。亮悟さんが.......いない？どこにいるの？目の前には怪我をした二人がいて、私の中で一つの結論が出た。信じたくない結論。嫌な汗が頬を伝うように.....。

『(......まさか.....)』

それに気づいたろくが二人に聞くと二人を庇い、禍野に連れて行かれてしまった亮悟さん。二人から話を聞いて階段を上がりだすろくろ。紅緒の部屋に行ったんだ。ろくろは亮悟さんを助けに行く。なら、私は篤さん達の手当てをしないと。怪我をした篤さん達を支えながら、じっさまにも状況を伝えないとだ。しばらくして、二人が部屋から出てきた。ろくろと紅緒の手には、霊符が握られている。

『二人とも！！亮悟さんのことお願いね』

二人の背中に声をかけると力強く頷いてくれた。

ああ。
やっぱり、ろくろは陰陽師だなぁ。
私の知っている陰陽師.....。

最高にカッコいい顔をする！
頼れる存在だ。

『.......お願いね』

亮悟さんを助けてね。

　