排球部エースは転生少女

◇大切なのは報・連・相！！ ページ39

九月、木々が赤や黄色に色付いてくる季節。



「楽しみだな〜ロードレース！！な、湖羽！千歳ちゃん！潔子ちゃん！」



すごくご機嫌な表情で車を運転する我が父。

一学期期末テストも終わった後の休みの日。私と千歳、潔子は突然帰ってきたお父さんにつれられ、神奈川県のロードレースの大会がある場所に連れてこられていた。一泊二日のお泊まりだ。

単身赴任のお父さんが久しぶりに帰って来たら、私達三人を連れて車でレッツゴー！お泊まりセットはすでに各家庭のお母さんにより準備されており、それを詰め込められて出発した。私なんか訳もわからずだよ。

二人は聞いていたみたいだけど......。

私にも「報」「連」「相」をしてほしいよ！！
マジで！！








目的地に到着して、車を止めるお父さん。

私達も各自リュックを背負い会場に向かって歩く。
お父さんはトランクからロードバイクをだした。



「おじさん、大会に出場するの？」

『え、そうなの？何にも聞いてないよ、私』

「湖羽のお父さん「報」「連」「相」しないね」



マジでそれな。
報告、連絡、相談は大切な事だ。
潔子に小さな声で聞かれ、千歳には先ほど私が思っていたことを言われた。流石、相棒わかってらっしゃる....。

どうやら、マジでお父さんはロードレースに出場するらしい。とりあえず、頑張れとは言っておく。後、怪我しないでねと。そう言ったらなんか抱きつかれた。九月と言ってもまだまだ暑いので離れてほしいが、もうちょっとしててほしい気がする。久しぶりのお父さんだしね。






──────────






完全に油断していた。



『水買ってくんね。二人とも先行っててよ』

「わかった」

「迷子にならないように気を付けてね」

『ならないから大丈夫ー』



一人、自動販売機へと歩いて行けば.....、エンカウント。ほらさ、トイレ前で会うのはハイキューメンバーだけかな？って思うじゃん？トイレ前じゃないところでも会うんだねって。ここまで来たら、どこでも会うんだね、私。



コロコロ......。



『！....ん？....なんだろう、これ....ボトル？』



水を買おうとボタンを押した後、私の足元に前世でみたりした自転車競技の人達が使ってるボトル(前世で見たことある)が転がってきた。靴にあたって、動きが止まるボトル。しゃがんで拾った。



　

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