◇稲荷崎の主将からの電話 ページ34
美園湖羽side
「ワッハッハッハッ!どうだ!今年も優勝は俺のこのビジュアルだったな!!」
『次、どこ行こっかなー』
「聞けよっ!?」
『え、いやだって、そのセリフ去年も聞いたし』
真波と共に千歳と尽八のコンテストを観に来たら、当然のように二人が優勝していた。ちなみに三年連続である(二人とも)。
「いや、去年はもっと短かったぞ」
『なんで、覚えてんの??』
そこに心底驚いた。
私だって、去年嫌々ながらも受けたインタビューの内容なんて一切覚えてないのに(湖羽の場合は嫌過ぎて、記憶から消している)。
「それにしても、見つかったようでよかったな。真波」
「はい!」
「ちなみにどこにいたのだ?」
「俺が見つけた時は、階段から落ちそうになってましたね〜」
『....っ....!!!』
え、何、真波サン、怒ってらっしゃったの??
なんで、尽八に言っちゃうの?!
「あれほど気を付けろと言っておるのに!湖羽、お前また落ちかけたのか!?」
『あ、あははは.....?スミマセン』
「これは北君に連絡かな?」
「あ、千歳先輩〜」
尽八の後ろから出てきた千歳。
口調は普通だけど、若干怒ってる感じがする。
『き、北ダメ!!怒られるっ!!!』
「《怒られるようなことしたんか?》」
『!?』
「もうつながってるよ」
携帯電話をこちらに向けながら言う千歳。
声は聞き覚えのある人、稲荷崎の北信介。今年のインターハイ準優勝校の主将だ。
「《千歳から聞いたんやけど、湖羽また階段から落ちたんか?》」
『《.....は、はい》』
「《これで何回目や?》」
『《十は(余裕で)越えてると思います....》』
結構な回数階段を踏み外す私。
ある意味呪いなのかと思うぐらい落ちかけては間一髪。特に三年生とハイキューの全国常連メンバーには御世話になっております.....。その度に北サマには有難い
「《今回は注意を怠ったんやろ?》」
『《!うっ.....はい.....》』
なんで、注意怠ったこと知ってるんだ?
いつもは北の言葉をしっかり守り、周りのチャックを怠らないでいるのに。千歳や尽八がいると二重のチェック力になる。すごく助かっている。でも、今回は弁解することはできない。なぜなら、滅茶苦茶焦って真波を探していたからだ。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時