◇嘘？ ページ30
「え？」
きっと、嫌いになっちゃうよ。
イメージ通りじゃないかもだし、ヤキモチとか私のわがままを言っちゃったらきっと真波は離れていっちゃう......。
それは嫌だ。
「嫌いになんてなりませんよ？」
『嘘』
「嘘じゃないですよ〜？」
『嘘だ』
「嘘じゃないです！」
『........ホント？』
「本当です。俺は湖羽さんのこと嫌いになりませんよ〜！」
下を向きながら、上から聞こえる真波の声。
本当に嫌われないかな？
大丈夫かな？
『.......』
......木兎にも言われた。
「言わないとわかんない」って.....。
確かにその通りだ。
『(カッコよしおの......木兎。核心をついてくるからカッコいいんだよ.....バカ.......)』
なんで、あれでモテないんだ。
あれか、単細胞の方が表に出てて、かっこいいところが全てマイナスされているか、隠れているかのどっちかだな.....。
じゃなくて、今は、木兎の話をしている場合じゃない！！
ちゃんと話さないとだ。
『.....あの、ね....』
「はい」
『私、昨日.....真波が、他の女の子と話してるところが嫌だったの.....』
「えっ？」
『真波、かっこいいから.....皆話かけちゃうのはわかるし....、登る姿もかっこいいから....その....』
「あ、あの、先輩.....！」
『ん？』
私が一斉一代の告白しているなか、真波が何か言いたげな声で話かけてきた。や、やっぱり嫌いになった(何故か、いつも以上に弱っているために思想が全てマイナスになっている湖羽)？？！
「そ、それって.....、ヤキモチ妬いてくれたってことですか.....？」
ヤキモチ.....？
うん、そうヤキモチ.....。
『〜〜〜〜っ!!!!』
本人から直接言われると恥ずかしいって気持ちが勝っちゃうよ。自分で理解して、言うのはいいの。認めるのはいいんだけど、いざ相手に言われるととてつもなく恥ずかしくなってテンパる。
「湖羽さん？」
おい、この少年こことぞばかりに名前呼びしてない？
確信犯かな？
でも、言わないと伝わらないもんね。
そういう時は頼りになる木兎を信じるっ！！
『ｺｸｺｸｯ)......そう』
「！！」
真波の表情は見えないけど、驚いて.....るのかな？
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年12月25日 19時
