排球部エースは転生少女《６》 (ページ32)

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◇推しの次にページ32

美園湖羽side

夜、美園家。

《♪～》

『尽八からだ』

携帯に表示されたのは″尽八″。

『《もしもし、美園です》』

「《俺だ！東堂尽八だ！》」

『《知ってる知ってる》』

「《お前、今携帯とるのに時間かかってないか？》」

『《かかってないかかってない》』

なんで、バレたんだ？尽八からかかってくる電話はうるさいから出るか出ないかに迷うのだ。

『《で、どうしたの？》』

「《いや、なに....なんとなくな》」

『《なんとなく....》』

なんとなく、私に電話って、

『《暇なの？》』

「《んなわけあるか！ミーティング終わりだ！》」

『《だって私に電話するより、明日に備えて寝た方がいいでしょ》』

自転車は体力との戦いでもある。バレーは室内でやるから、夏でも冬でも温度に関係なくやれる。自転車もやれるけど、大雪とかだとアウトでしょ？夏だと蒸し暑い中、日差しにさらされながらの走り。どう見てもキツイ。それを三日間。三日間、生き残るには体力は大切だ。お風呂に入って、今日の疲れを癒し、明日に備える。

「《これが終わったら、寝るから大丈夫だ！》」

『《そっか》』

ならいい。何を思っているのか、少しの間の後に電話の向こうから声がする。

「《.....一月にはお前が俺達みたいな感じになるのか》」

『《三日間じゃなくて、六日間だけどね。しかも、負けたら即そこで終わり。決勝まで残れば、六日目までバレーができる》』

「《楽しみか....？》」

『《勿論。あのコートに立てること、強い奴とのバレーは楽しみでしかたない....！》』

「《お前、バレーになるとかっこ良くなくよな》」

『《それ、皆言うんだけど》』

「《(だろうな)》」

かっこ良くなるって.....。
夕みたいなかっこよさなら、大歓迎なんだよなあー。

私の推しはマジでかっけぇからな。

あ、でも、

『《尽八もかっこいいよ》』

「《え》」

『《え？》』

「《お前が俺を褒めた....？》」

『《何か可笑しい？》』

「《いや、お前が俺を褒めるなんてほとんどないだろ！？》」

『《え、そう？普通に尽八はかっこいいよ！.....夕の次ぐらいに》』

「《俺、褒められてたよなっ！？》」

だって、夕の方が何倍もかっこいいんだもんよ。

　