やっぱりあげない ページ21
凛月の吐息が肌に当たる。キラリと輝く牙が首を刺そうとした瞬間、
A「……やっぱダメ」
と言い、自分の人差し指を凛月の牙に押し当てた。
その瞬間、赤い真珠みたいな点が出来上がり、凛月の口に入っていった。
凛「……ごめん」
そう言って、傷ついた俺の人差し指を少しだけ舐めた。
その感触が、妙に生々しい。
服装を整え、車のエンジンを入れた。
小気味なジャズが車内に流れる。
今は、聞きたくなんてなかった。
家に帰ると、零がいた。
それは、当たり前なのだが、顔が妙だった。
零「凛月も、兄さんもお帰りじゃ。……凛月は運んでおくから、お風呂入っていておくれ」
その言葉に甘えて風呂に入っていった。
乳白色の湯に浸かる。
体全体の疲れがとれていく。
でも、考えていることを水に流すことなどできやしなかった。
凛月のあの独占欲は一体どうしたらいいのだろう。
吸血鬼は、気に入った物の血を吸うことがある。
それは、例え涙でも吸血行為になりゆるそうだ。
あの子達は、人になるべきだ。
吸血鬼なんで、あの子達には似合わない。
せめて俺だけでも犠牲になれば……
頭を振りその考えを辞めた。
そんなことしても、あの子達は泣いてしまう。それはあってはならない。
乳白色の湯を手で掬い、落とす。
目をつぶり、湯船の中に全身を浸からせる。
目を開けて空気の気泡が上にいっているのをただ見つめていた。
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味付けのり(プロフ) - 凛月LOVEさん» わわ！！ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！頑張って更新します！！ (2020年1月5日 22時) (
レス) id: e8088cc444 (このIDを非表示/違反報告)
凛月LOVE - 面白いかったでござる!続き待ってるぞい! (2020年1月5日 18時) (レス) id: 64fc749647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味付けのり | 作成日時：2019年3月16日 19時
