ただ、愛がほしいだけ【マサイ】 (ページ11)

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ピンポーン

突然来たら彼女は迷惑がるだろうか

でも、話したい

話したいことがあるんだ

俺の話を____

「あれ…マサイさん？」

出てきたのは、おめかしをした彼女だった

そうか、また誰かのところに行くんだ

マ「ごめん、急に。どうしても話したくて」

「…まだ時間あるから、上がって？」

彼女から香る香水の匂い

とても甘い香りだ

「どうしたんですか？」

マ「あの、さ…いろんな奴と関係持つの…やめない？」

「…え？」

やばい、直球すぎたか

マ「いや、その、やっぱりそういうのは良くないと思って…」

「……そう、ですよね」

顔を伏せ、つらそうに笑う彼女

そんな顔させたい訳じゃないけど

ちゃんと言わないと

マ「"愛"って、それだけが全てじゃないでしょ？」

「…わかってるんです…わかってるんですけどっ」

だんだんと涙が混じり始めていた

「…私、愛なんて感じたことなかったんです、家族からも友達からも、彼氏なんて裏切るだけだし、もうそんなのは嫌なんです！どうせ裏切られるなら今の関係の方がよっぽどマシ！！利用されて、利用して…それでいいんです…!!」

…やってしまった

この話は彼女にとってタブーだったんだ

傷をえぐって泣かせてしまった

マ「…ごめん、理由がない訳ねぇよな。でも…世の中みんなそうって訳じゃないから…俺は絶対裏切らないよ」

「っ……ごめんなさい、時間なので、行きます」

手で涙を拭き、ショルダーバッグとスマホを手に取り慌てて出て行ってしまった

俺の思い、伝わったかな

少しでも伝わってれば…

マ「…鍵ねぇけど…どうしよ」

俺はまた頭を抱えた

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