彼女の嫌がらせを一週間我慢する話【爆豪勝己】

Tuesday ページ4

今日はゆっくりと細工が無いことを確認してからドアを開ける。すると昨日と同じように玄関でオレンジクラッカーを持ったAが1発、パンｯ。

「ｯ.....」

思わず身構えた、が何も起きない。

「なにやってんの、ご飯できてるよ」

こんな初歩的な手にまんまと引っかかったのが昨日に増して悔しい。顔がひきつる俺を横目に鼻歌を歌いながらAはまた消えていった。


＊


「.....なんだこれ」

「今日は頑張っちゃった ！」

ピンク色のエプロンをわざとらしく着てにっこりと微笑む。似合ってはいるが俺はオレンジのエプロンの方がいいと思う。
そんな事はいいとして、俺の目の前に広がる料理からは甘い匂いかプンプンする。

「カレー、卵焼き、さつまいもの甘煮、コンソメスープ」

「このカレー甘口だろ」

しかも市販の、どこかで嗅いだことのある匂いだ。勿論の如く辛党の俺には縁のない商品なのだが目の前にいるコイツは俺とは正反対の甘党、そんなコイツが食べていた甘口のカレーライスの匂いは俺の嗅覚にインプットされていたらしい。

「正解、流石野生児鼻が利くねえ」
「あ" ?」

おっと暴力禁止と慌てて背中から包丁を出すがどう考えてもそっちのが凶器だ。

「因みに卵焼きも甘口だよ」

「.....」








昨日のキムチと白米が恋しい。

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