13.ab ページ13
ラウールの腕の中で思考を馳せる。
俺達はいつからこうなってしまったのだろう、と。
昔....グループ結成当時は、俺は浮いた存在だったと自分では思っている。
何もかもが皆と逆で、かと言って目立っていたわけでもない。
浮いてるだけの地味な奴、それがあの頃の俺だった。
俺が歩いてもジャラジャラと音を立てるのは自宅の鍵だけで、他のメンバーが楽屋で遊んでいる間は教科書を読むふりをしていた。
それが俺が精一杯悪ぶった結果だった。
懐かしい。
それからなんやかんやすったもんだあって、九人のSnowManが定着した。
やっとデビューの夢が叶った。
その頃からだ、俺達の関係がおかしくなったのは。
事の発端は、めめからのスキンシップ。
それからラウール、康二と広がっていって。
照や翔太まで俺にまとわりついてくるようになった。
いつの間にか、それはグループの中での日常になっていた。
キスもされた。
たくさん、耐え間も無く。
それからあの食事会に至って、規定が定められて。
今は特例としてラウールに抱き枕にされてはいるけれど。
....変な話だ。
とんだ茶番だ、しかも笑えない。
ほとんどのメンバーが俺のことを恋愛対象としているのに、どうしてお前だけは違うの？
どうしてよりによってお前なの？
たくさんの人からたくさんの愛を貰っているのに、物足りないんだ。
佐久間、お前だけが足りないよ。
お前からの愛だけが足りない、むしろそれだけでいい。
お前からの愛があれば、それだけで充分なのに。
ラウールの幼い寝顔を見つめていると、罪悪感に押し潰されそうになる。
こんなに若い子の初恋を奪って....俺は何をしているのだろう。
ラウールだけじゃない、そろそろ本気の恋愛の適齢期に達した年上メンバー達の気持も俺にある。
正直、重いよ。
俺にはとても背負いきれない。
だから定期的にふっかの手を借りて発散しているのだけれど。
「....阿部ちゃん、寝た？」
完全に眠っていると思っていたラウールが急に目を開く。
俺は咄嗟に目を閉じて、眠ったフリをすることに決めた。
特に理由は無い、明日も仕事だからと早めに勉強を打ち切ったんだ。
ここで会話が始まっては元も子も無い。
「....大好き、愛してるよ阿部ちゃん。」
ラウールの眠そうな声が俺の耳を擽る。
耳に違和感を感じ、それがラウールの舌であることはすぐにわかった。
....キスじゃないから、ギリギリセーフかな。
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まなお(プロフ) - 智子さん» ありがとうございます！のえあべ…好きなんですよ(*^^*) (2021年7月14日 15時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
智子 - のえさんんが、、、本当にいいお話でした (2021年7月2日 1時) (レス) id: 6bcad947d7 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» のえさん、阿部ちゃん、かっくんの三角関係を妄想している途中です。形になりそうだったらアウトプットするので、暫しお待ちくださいね！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
EYE(プロフ) - まなおさん» ほんとですか！絶対見ます！！笑 (2020年8月18日 17時) (レス) id: c74add9456 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» ありがとうございます！！のえあべ、完全に沼でした…！！またそのうちのえあべ書くと思います。その時はまた、お付き合いくださいね！！ (2020年8月18日 16時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年5月15日 20時
