11.ru ページ11
仕事終わり、二人で向かうのは阿部ちゃんのおうち。
メンバーにはめちゃくちゃ文句言われたけれど、阿部ちゃんが俺を庇ってくれたの。
『テスト前なんだから特例でしょこれは！！』
『だからってずるいっすよ、ラウールだけ。』
『ほんまやで！！明日は阿部ちゃんもラウールも仕事やん、ルール守ってや！！』
『もしもラウールがテストで赤点取ったらどうなると思う？補習対象になったら、スタッフさんやマネージャーさんにも迷惑かけることになるの。仕事に支障が出るのが一番困るでしょ、お願いだからわかってよ....っ』
俺ってめちゃめちゃ幸せ者だよね。
阿部ちゃんが必死に俺との時間を作ろうとしてくれたんだ、これ以上の幸福なんてない。
『....全然良くない。俺、最近全然阿部ちゃんとお泊まりしてないもん。』
『ごめんね翔太....でも、俺がラウールの家に行くわけじゃないから。俺の家で勉強会するだけだし、キスは我慢してもらうから。ね、許して？』
この言葉に若干ガッカリしたのは....まぁ、ここだけの秘密ということで。
それを差し引いても、最高なのには変わり無い。
夜道を二人で歩いて、途中でコンビニに寄った。
それぞれ夕食と夜食、それに勉強のお供にお菓子を選んだ。
阿部ちゃんが俺に財布を出させなかったから、荷物は全部俺が持った。
阿部ちゃんのおうちに着いて、まずは一緒に夕食を食べた。
温めてもらったお弁当は少し冷めていて、火傷はしないけれど美味しく食べられる絶妙な温度になっていた。
猫舌の阿部ちゃんは苦戦していたけれど、そんな彼も可愛い。
大好き。
テーブルを片付けてテキストを広げて、数学の教科書を開いた。
ルーズリーフを一枚出して、準備完了。
阿部ちゃんは一問ずつ丁寧に解説を加えながら解き方を教えてくれる。
授業で習うよりも時間はかかったけれど、とりあえず一次関数はマスターしたと思う。
次に物理のワークを出したら、阿部ちゃんは目を輝かせて白い紙を持って来た。
まるで新しい玩具を与えられた子供みたいだな、なんて。
歳上相手に失礼かな。
だけど歳下の女の子にしか見えないんだよな、阿部ちゃんは。
嬉しそうに加速度を求め始めた阿部ちゃんの手元を、何となく目で追う。
....早く誰かに幸せにしてもらいなよ、あなたも。
たぶん俺じゃ子供すぎるから。
なんだか最近辛そうだよ、大丈夫？
なんて問うても、きっとあなたは『大丈夫だよ』って笑うんだろうな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 622人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなお(プロフ) - 智子さん» ありがとうございます！のえあべ…好きなんですよ(*^^*) (2021年7月14日 15時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
智子 - のえさんんが、、、本当にいいお話でした (2021年7月2日 1時) (レス) id: 6bcad947d7 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» のえさん、阿部ちゃん、かっくんの三角関係を妄想している途中です。形になりそうだったらアウトプットするので、暫しお待ちくださいね！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
EYE(プロフ) - まなおさん» ほんとですか！絶対見ます！！笑 (2020年8月18日 17時) (レス) id: c74add9456 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» ありがとうございます！！のえあべ、完全に沼でした…！！またそのうちのえあべ書くと思います。その時はまた、お付き合いくださいね！！ (2020年8月18日 16時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まなお
| 作成日時：2020年5月15日 20時
