7.ラブレター ページ7
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バサバサバサッ
『あー……こういう感じ、久々かもー』
いつも通り、兄に学校まで送ってもらい、靴箱を開けると大量の手紙がバサッと落ちてきた。恐らくラブレターってやつだろうな。放課後○○に来て欲しいって言う人もいれば、気持ちが伝えたかっただけだから返事はいらないって言う人もいる。
だけどな………ストーカーの事件があってから、男の人と二人きりになるのってちょっと抵抗ある。断って豹変されたら怖いし。さすがに私でも男の力には敵わないし。手紙くれた人には悪いけど、行かないでおこう。
三「すげーな、それ全部ラブレター？」
『っひ………！び、びっくりした、三ツ谷か。おはよ。』
三「おはよ。にしても相変わらずモテんのな。」
『別にモテても意味なくない？男なんてみんな一緒だよ、どうせやれたらいいんでしょ。』
三「は？」
『まぁいいじゃん。教室行こうよ。』
一ヶ月前、私がストーカーされた時の話だ。初めはこんな風に手紙で放課後に呼び出し、告白された。でもその人のことはよく知らなかったし、話したこともなかったから断った。その場では分かったと言ってくれたものの、彼はストーカー化し、帰り道に私をつけたり、家を突き止めてポストに私の写真が入っていたりした。
さすがにやめてほしいと抗議したら、じゃあ最後にやらせてほしいと言った。それで諦めると。それが目的だったのかと思わずため息をついた。その会話を聞いていた私の兄たちにボコされて、ストーカーしてくることはなくなった。
三「Aちゃん、もう授業終わったけど。」
『えっ、あぁうん……帰ろっかなー』
三「ラブレターのやつ、行かねぇの？」
『………申し訳ないけど行かないよ。私、男にちょっとトラウマあってさ。外で二人きりになるの怖いんだよね。』
三「そっか。」
携帯を開くと、お兄ちゃんから
「抗争があるから今日は迎えに行けない。タクシー手配するから終わったら連絡して。」とメールが来ていた。なんだ、お兄ちゃん来てくれないのか。残念に思ってひとつため息をついた。
三「どうした？」
『お兄ちゃん、今日は迎え来れないんだってー』
三「そうなんだ。じゃあ俺と帰る？」
『え？』
三「俺と帰るの怖い？」
『………ううん、怖くない。三ツ谷なら大丈夫。』
三「よかった。」
そうして、私は三ツ谷と一緒に帰ることになった。
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作者名：ゆ | 作成日時：2023年10月15日 22時
