三ツ谷は私のことが好きらしい。 (ページ3)

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3.ブラコンとシスコンページ3

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そうして、私は大きくなり、中学生になった。

兄たちに甘やかされて生きてきた。親の記憶はもうほとんどないし、もう顔も覚えていない。咎める人がいない中で育った私はグレた。所謂ギャルという分類になるのだろうか。校則違反しまくりである。

蘭「A、学校は？」

『だるいから行かない。お兄ちゃんと一緒にいる。』

蘭「はは、本当に可愛いなぁ♡」

『ほんと？A、可愛い？』

蘭「世界で一番可愛い。兄ちゃんが言うんだから間違いねぇよ。」

竜「何イチャイチャしてんだよ。」

蘭「竜胆、嫉妬は見苦しいぞー？」

竜「は！？べ、別にそんなんじゃねぇし！！」

『竜兄もこっち来てよ、寂しいじゃん。』

竜「しょうがねぇなー」

そう、こんなふうに。

私はブラコンだし、兄二人もシスコン。学校へ行きなさいとか勉強しなさいとか言ってくる人はいない。まぁ勉強なんてしなくても教科書見れば分かるし。

六本木のカリスマ兄弟と呼ばれる兄二人は、言わずもがな不良。チームを作らず二人でよく喧嘩しに行く。私も行くと言ったら、危ないからダメだと止められた。六本木じゃ私が灰谷兄弟の妹であることは割れているらしく、この辺りを一人で歩くことすら禁じられている。故に中学は渋谷まで行かなきゃならない。

『ねぇねぇ、タトゥーって痛いの？』

竜「あーまぁ痛いんじゃね？何？入れたいとか言うなよ。」

『ダメなの？』

竜「ダメに決まってんだろ。Aの体に傷がつく。」

蘭「俺もそれは竜胆に賛成ー」

『えー、でもお兄ちゃんたちは入れてるじゃん？』

竜「それとこれとは話が別。俺らが入れんのとAが入れんのは違うから。それにAじゃ泣くほど痛いと思う。」

『私もお揃いしたいのに………』

竜「うっ……！」

蘭「おいおい竜胆、可愛いからって絆されんなよ。タトゥーは絶対ダメ。分かった？」

『はぁい、Aいい子だから言うこと聞く！』

蘭「ん、えらいえらい。」

お揃いにしたいなって思ったけど、よくよく考えたらあんな龍のタトゥー体に入ってたらいつか彼氏できた時絶対引かれる。それに痛いの嫌だし。やめとこ。

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