暴力…クロス● ページ3
…ここはどこなんだろう
目隠しと手錠を付けられて、部屋から出られない
…ただコンビニに行ってきただけなのに
突然後ろから襲われて
気づいたら此処にいた
誘拐されたのか
声を出そうにも口も固定されてるなんて、もうどうしようもない
怖い、怖いよ
ガチャリと音がして、誰かが近付いてくる
助けて、と必死で伝えるも固定されてる口では言葉に出来ない
『あうええ…』
助けて
その「誰か」は私の前で止まった
荒い息づかいが聞こえる
…違う、犯人だ
そう思ったのと同時に正面から衝撃が来る
『あ゛っ…』
そして間髪いれずにもう一発
痛い、痛いよ、痛いよ!!
自然と涙がこみ上げてくる
泣いたってやめてくれるわけないのに
『う゛ぁ…ぁ…』
助けてよ、誰か、ねぇ…
どのくらい経っただろう
10分?20分?
…もしかしたら全然経ってないのかもしれない
何も見えない中の暴力なんて
頭がおかしくなってしまいそうだ
どこを殴られるのかわからない恐怖に、ただ私は無力に怯える
犯人は呼吸を正したあと、部屋から出て行ってしまった
足の方に冷たい空気が流れ込んできて、家からも出ていったんだなと感じた
『う゛ぅぁ…はぁ…はぁ…』
まだ痛い
まだ怖い
私はここで死ぬことになるのかな…
『あ、う、ええ…』
助けて
意識は途絶える
_____________________________
誰かが走ってくる音が聞こえた
扉がバン!と音を立てて開けられる
「Aさんッッ!!!」
く、ろす…
「大丈夫でしたか!?今外してあげますからね!」
それは私にとって英雄が現れた瞬間だった
『あ゛り、がと…』
安心感からかまた涙が溢れる
「こんな酷いことした奴は俺が倒しますから」
優しく抱き締めてくれるもんだから
私はさらに泣いてしまった
彼は私を抱え、犯人の家から逃げた
「本当、クソ野郎ですね…でも俺がいますから
もうこんな目に合わせません、約束します」
『う゛ん…約束…』
約束。
______________________________
「なぁ、クロス」
「なんですか?先輩」
「…いや、何でもねぇ」
眠った彼女を抱えて振り向くアイツの顔は酷く幸せそうで
これ以上踏み込んではいけない気がした
アイツが拳に血を付けて帰ってきたとき、
Aを助けに出て行ったとき、
妙なポジティブを感じたこと
そしてコイツがニヤリと笑っていたことを
俺は見逃さなかった
++++
俺はキミの英雄になった
本当の犯人
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もも - クロス君のとある一家の御茶会議パロめっちゃ好きです、、、、、 (1月1日 0時) (レス) @page41 id: 8c04d9af7a (このIDを非表示/違反報告)
ららららららららららららら - あぁ 好きです (2023年1月8日 2時) (レス) @page41 id: dd75b894fb (このIDを非表示/違反報告)
regulus2(プロフ) - 一話目からめっちゃ好きです!これからも無理せず頑張ってください!! (2022年6月19日 23時) (レス) @page1 id: 48ac37a5f1 (このIDを非表示/違反報告)
メリエス(プロフ) - 矢車菊118様の書くヤンデレ最高です!頑張ってくださいね! (2022年4月24日 9時) (レス) @page14 id: 2a4134e80c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふのもふ☆ - 矢車菊118さん» 矢車菊118様のお話とっても、好きです!これからも頑張って下さい! (2021年11月22日 17時) (レス) id: fc019d8bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢車菊118 | 作成日時:2021年10月10日 10時