優しい手つき ページ36
ふぅ…すっきりした。
お風呂からあがって部屋に戻ると
ひとりで晩酌してるアルベルの姿が目に入った。
酒瓶片手に物思いにふける横顔は絵になるほど美しい。
そんなアルベルの隣に腰掛けて
『私にもお酒ちょうだい』
って言ったら
キ「先に髪乾かしてこい」
って嫌そうな顔をされた。
『ねぇアルベル、私も燃やしてよ』
キ「は？」
『あ、いや違くて…アルベルの炎で私の髪も乾かしてって意味』
キ「なんでおれが」
『ならびしょ濡れのまま抱きついてやる』
そう言って
濡れた頭をアルベルの体に押し付けようとすると
ぐいっと容赦なく押し返された。
キ「やめろ」
『じゃあ乾かして』
キ「だからなんでおれが」
『はい、お願いしまーす』
有無を言わさずアルベルの足の間に
背を向けて座れば
後ろから深いため息が聞こえてくる。
『あ、あの…燃やさないでね？』
キ「さあな…いくらか燃えても文句言うなよ」
怖っ…
本気で燃やされたらどうしよう…
そう思ってぎゅっと目を閉じた直後
首元に優しいそよ風みたいな温風を感じた。
よかった…
そしてアルベルの指先が私の髪に触れる。
柔らかい手つき…でもちょっと不器用な手つき。
そんなところもまた愛おしく感じてしまう。
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まあや(プロフ) - 箱さん» 箱さん、この作品を読んでくださりあたたかいコメントまでありがとうございます。とても励みになります！ (2023年1月17日 0時) (
レス) id: 6ddb893b1b (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月16日 15時) (レス) @page50 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maaya | 作成日時：2022年9月29日 15時
