Bright (ページ4)

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『出てきてもらっちゃってごめんね、そこのソファー座ってもらって、あとこれ、良かったら飲んでね。』

スタッフさん達がよくいる部屋。

ソファーに案内してくれたAさんは、俺がいつも飲んでるドリンクを渡してくれて、
部屋の隅にある私物であろう大きなバッグをゴソゴソし始めた

なにか喋らないと、感じ悪いかな、

とか考えて下を向いてたら、おまたせしましたってAさんの声。

『 …間違ってたらごめん、足、庇って踊ってたよね？』

織｢…え、｣

誰にも気づかれてないって思ってた。

昨日のレッスンの時少しだけ捻った右足。

踊ることが出来ないわけではないけれど、少し痛みを感じていた。

気づいてたんだ…

織「はい、昨日少し捻って、でも大丈夫です。」

『うん、踊ってる時は完璧だったよ。でもちょっとだけ気になってずっと織山くんの事観察させてもらってたら、気づいたの。』

今日の俺、上手くできてなかったんじゃないかって不安、わかってくれてる。

軽くテーピングしておこうか、ってしてくれた足は少し痛みが和らいだ。

織「…ありがとうございます。」

『全然！私、結構こういうの得意なんだ！役に立てて良かったよ。』

そう言って笑ったAさんの笑顔に俺は動けなくなった。

…こんな風に少し子供みたいに笑うんだな、この人。

『よし、戻ろうか。織山くん今からのレッスンも気をつけて、頑張ってね。何かあったら言ってね。』

もっとこの人と話したい。って、今まで躊躇して距離をとっていた事、すごい後悔した。

それからは俺からも積極的に話すようにして、だんだん今みたいに普通に話せるようになったんだよね。

織「ねぇ、Aさん。」

『織山くんおはよう。どうしたの？』

相変わらず笑うと少し子供っぽい、

あの頃より、近づけてるかな、

織「俺のことも下の名前で読んでよ、」