検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:331,020 hit

狼 が 十 匹 ページ10

新作
【うらたぬき】4つの数字と痛んだ恋心

過去最高2位の記念です

*・*・*

チャイムが鳴り、体の力が一気に抜ける。

今のは授業終了のチャイム兼お昼休みを知らせるチャイムだ。

つまらない授業の後唯一息抜きができる、やっときたお昼休みは、

Aが不手腐れたような顔をしていること以外はいつも通りだった。


「ねぇー、センラぁー…」

「ん、なんや?また坂田?」

「そー…。また女の子と楽しそうにしてさー。しかも頭ポンポンしてたんだよ…?彼女の前でするかっての!」


現在目の前で愚痴を溢すご機嫌ななめな此奴は幼馴染兼俺の好きな人のA。

Aには彼氏が居て、其奴が俺の親友と言っちゃあなんとも複雑な俺の気持ち。


あの時思いを伝えれば俺が嫉妬される側だったのか、なんて思ってももう遅い。

Aによると最初は俺に好意を寄せていたらしく、噂でもそんなことを耳にしていたが前の俺は気にとめていなかった。

それで席替えで偶然Aと隣になって、いつの間にか俺が好きになっていた頃、此奴には新しい好きな奴、坂田ができたって。

それからAが話しかけにいって、どんどん坂田と話すようになって、そしたらいつの間にか坂田に告られてたらしい。

本人もいつ告られたかは不明。


俺があの時、噂を耳にした時から少しでもAと話していれば。

坂田と話すようになる前にAに思いを伝えていれば。

そんなことをしていただけで、もしかしたらAと幸せのエンドロールを見たのは俺だったのかもしれない。

でも、それに気づけてももう遅いんだ。

Aは今、幸せの絶頂期にいる。

いや嫉妬はしてるけど、なんだかんだ幸せなんだと思う。

そんな時に今更思いを伝えてみれば、俺の然程強くないメンタルがボロボロになるだけだ。

意識だけさせることができるかもしれない。

このモヤモヤが少しスッキリするかもしれない。

それでも、Aが坂田に向ける気持ちが此方に向かない限りは意味がないんだ。


俺はそんな弱い男。

恋愛マスターだの、恋のお悩み相談だの言ってる割に自分の恋愛は人並みにできてすらいない。

もう、相談も今日で終わりにしようかな。


そんな弱音を吐いていた俺が、数日後転入生にアタックしまくる等誰も予想しなかっただろう。

狼 が 十 一 匹*→←狼 が 九 匹*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (471 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1324人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こゆき(プロフ) - 性癖ぶっ刺さりすぎて続き読みてぇ〜w (2022年8月18日 9時) (レス) @page33 id: b05dbfc063 (このIDを非表示/違反報告)
歌い手の信者 - マジであんな性癖ありそうですね!wwwwwww! (2020年6月13日 10時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
あやのり(プロフ) - 初見です!続きが楽しみです! (2019年11月5日 23時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
Aki - なんじゃこりゃ!!めっちゃ好きすぎてホンマに死にそーですww楽しく読ませて頂きました!!これからも頑張ってください!!そして、戻ってきて。゚(゚^ω^゚)゚。 (2019年7月20日 13時) (レス) id: 3edc3c3d7d (このIDを非表示/違反報告)
さく - 終わってます!終わらないで!戻ってきてください…!(´;ω;`) (2019年7月4日 18時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるちょ | 作成日時:2018年6月9日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。