狼 が 十 三 匹* ページ13
「ほんとです。いい加減信じてくださいよもう」
あれから何回も同じようなやり取りをして、私もそろそろ苛々してきた。
私悪くないじゃん。
この二人が私の近くでヤり始めただけであって、先客は私。
はい私無実。
「ていうか後ろの人達どうしたんですか。ずっと私たちのやり取り聞いてるだけじゃないですか」
「いや、抑えるために何人か必要かなって思ってね」
「抑える?女子一人にこんな大人数の男子使うんですか?そんな私筋肉多く見えるんですか失礼ですね」
もうなんか苛立って色んなこと口走ってるけど私は悪くない。
てか早く帰りたいんだよ此方は。
初の男子高生活に疲れきった体をお風呂で解してぐっすり眠りたいんだよ。
痺れをきらした私はとうとう言ってしまった。
「じゃあもう貴方がたが思うようにしていいんで帰らせて下さい。あ、後々私が痴女だって周りに言ったりだとかないと思いますが私を襲おうとする行為はやめて下さいねではさようなら」
長文疲れた。
もう帰っていいよね。
ポカンと口を開けているマヌケ面な高橋君と男を他所に扉に手をかけた時。
奥に居た誰かさんが一言こう言った。
「ごめん扉の鍵閉めたわ」
「…は?」
いや「は?」だよね。
え、これ中から鍵ないと開けられない系?
なんかつまみ的なの回して開ける仕組みじゃないの?
え?
「いやまぁ一応認めてくれたんだし開けるけど」
いや開けるんかい。
焦った焦った。めっちゃ焦ったわ。
***
「ただいま〜」
玄関の扉を開けて外靴を脱ぎ、愛用スリッパに履き替えればいつものように一言、そう言った。
リビングの方から聞こえてくる聞き馴れたお母さんの声そっちのけで部屋に向かう。
親子で仲が悪い訳ではないが、仲がいいって訳でもない。
普通、って感じ。
自分の部屋に入れば扉に寄っ掛かり、今日は濃い一日だったなぁ、と一日を振り返った。
もうさ、明日の朝噂されてたら最悪だよね。
制服のままベッドにダイブすれば夢の世界へと誘う睡魔。
それにあらがうことなく瞼を閉じれば結構早く夢の世界に入った。
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こゆき(プロフ) - 性癖ぶっ刺さりすぎて続き読みてぇ〜w (2022年8月18日 9時) (レス) @page33 id: b05dbfc063 (このIDを非表示/違反報告)
歌い手の信者 - マジであんな性癖ありそうですね!wwwwwww! (2020年6月13日 10時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
あやのり(プロフ) - 初見です!続きが楽しみです! (2019年11月5日 23時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
Aki - なんじゃこりゃ!!めっちゃ好きすぎてホンマに死にそーですww楽しく読ませて頂きました!!これからも頑張ってください!!そして、戻ってきて。゚(゚^ω^゚)゚。 (2019年7月20日 13時) (レス) id: 3edc3c3d7d (このIDを非表示/違反報告)
さく - 終わってます!終わらないで!戻ってきてください…!(´;ω;`) (2019年7月4日 18時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるちょ | 作成日時:2018年6月9日 22時